2004年2月21日(土)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の吉井英勝議員は二十日の衆院予算委員会で、地方財政に対する国から地方への補助金削減、地方交付税と税源移譲を見直す「三位一体改革」の問題をとりあげ、地方財政の切り捨ては許されないと追及しました。
来年度、地方交付税を二兆八千億円圧縮、国庫補助負担金は一兆三百億円削減する一方、税源移譲は約四千五百億円。削減額に対する移譲額の比率は12%にすぎません。
吉井氏は、北海道小樽市で、市立保育所運営費など国庫補助金の削減、交付税圧縮、所得譲与税の配分など差し引きで十二億円のマイナスに直面している実態などをあげ、「この事態を想定していたのか」と迫りました。
麻生太郎総務相は「分かっていたかといえば、分かっていた」とのべ、深刻な影響を及ぼすことを事実上、認めました。
吉井氏は、〇六年度までにさらに三兆円削減される国庫補助負担金について、地方財政法第一〇条で「国が進んで経費を負担する必要がある」と定める公立学校施設整備費や公営住宅建設費、下水道事業費など住民生活を支える事業が含まれていることを指摘しました。
吉井氏は、この三つの負担金だけで約八百億円にものぼり、削減されるだけで税源移譲もないことをあげ、「これはムダな大型開発と違い、教育や暮らしに密着し、地元中小業者に仕事が回る。しかも地方が引き続き進める事業だ」とのべ、財源措置を求めました。
谷垣禎一財務相は「スリム化は見直しの基本」などと、暮らしに必要な補助金でも縮減をはかる答弁に終始。吉井氏は「これでは地方が悲鳴を上げる。後年度でも引き続き削られるだけで(財源の)メドもたたないままでは、地方はいよいよ深刻になる内容だ」と批判しました。