2004年2月20日(金)「しんぶん赤旗」
長時間のサービス残業を強いられたサラ金最大手「武富士」の元支店長ら十人が、同社に残業代など約一億六千万円の支払いを求めた訴訟は十九日、武富士側が解決金七千万円を支払う元支店長側の勝利的和解が東京地裁で成立しました。原告側弁護団によると、同社が支店長に対する残業代支払いを認めたのは初めて。
原告は、元ブロック長、元本社課長などいずれも支店長経験者の男女十人。訴状によると、元支店長らは、午前七時に出社してティッシュ配布し、閉店後も午後十一時ごろまで勤務。休日出勤含め月百時間以上残業しましたが、残業代が全く支給されませんでした。
武富士側は、従来から支店長は管理職(労働基準法の管理監督者)にあたり残業代を支払う必要はないと主張。原告側は、武富士の支店長はノルマが達成できなければ直ちに一般社員に降格させられる不安定な立場で、経営に参画する立場でもなく、権限もないことなどを主張していました。
武富士側は和解で支店長への支払い義務を認め、勤務時間も原告側の主張どおりの計算方法で計算。原告側が請求した残業代(八千五十九万円)の83%を支払います。
同社のサービス残業をめぐっては、大阪労働局が昨年七月、同社と役員らを労働基準法違反容疑で書類送検。同社は従業員に未払いの残業代計約三十五億円を支払いましたが、支店長やブロック長は除外していました。