2004年2月20日(金)「しんぶん赤旗」
サービス残業(ただ働き)根絶や長時間労働の改善をめざして、厚生労働省や労働基準監督署の職員でつくる全労働省労働組合は、労働基準監督官に対する大規模なアンケートを実施し、このほど提言をまとめました。
アンケートは、第一線の監督官の半数を超える千百四十七人が回答。それによると、労働者や家族からの訴えをもとに企業や事業所を事前に通知せず立ち入り調査する臨検監督で「サービス残業と考えられる事案があったか」との問いに、「よくある」が31・3%、「ときどきある」45・4%、四人に三人が「ある」と答えています。
全労働は「ほとんどの監督官が臨検監督時にサービス残業に一定の頻度で遭遇していることがうかがえる」といいます。
アンケートは、サービス残業の形態について、「よくあると思うもの」(三つ以内)を質問。この結果、一番多かったのは、会社が「労働時間を把握していない」で73・3%。次いで、労働者の「自己申告制の不適切な運用」が72・7%、「月二十時間以内」などとした「時間外労働手当の定額制(足きり)」70・3%、「管理監督者の範囲の不適切な運用」60・9%の順でした。サービス残業については、労働者の自己申告にまかせて、企業が労働時間管理責任をはたしていないなどの問題点が指摘されていましたが、アンケートで裏付けられました。