2004年2月20日(金)「しんぶん赤旗」
乱脈経営で破たんし、一時国有化された旧日本長期信用銀行を引き継いだ新生銀行は十九日、東京証券取引所第一部に株式を上場しました。終値は八百二十七円。新生銀のほぼ全株をもっていた米国の投資組合グループには、投資額の八倍にあたる約一兆円がふところに転がり込む計算です。
新生銀株には取引開始から買い注文が殺到しました。前場(午前の取引)では値が付かず、後場にようやく八百七十二円の初値が付き、一時八百八十六円の高値を記録しました。
新生銀株の99%を支配していた米投資組合リップルウッドなどのグループは今回、保有する十三億五千八百五十三万株のうち約三分の一を一株当たり五百二十五円で放出。約二千五百億円の譲渡益を確定しました。売り出し価格を大幅に上回った初日の株価水準で推移すれば、残りの保有株の含み益は約七千三百億円となり、リップルは合わせて約一兆円の利益を手にする計算です。
リップルが新生銀の買収に使ったお金はわずか十億円。増資に応じた千二百億円を合わせても、投資額の八倍の利益です。ところが、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が国会で追及(十六日)したように、この利益には、日本が税金をかけられない仕組みがつくられています。