2004年2月18日(水)「しんぶん赤旗」
【ロンドン=西尾正哉】英国の公務員労組(PCS・組合員九万人)が十六日、雇用年金省の職員の賃上げを求めて四十八時間ストライキに入りました。ストには同省の職員を中心に約九万人が参加、全国の百四十以上の雇用センターが閉鎖されました。同労組によると、公務員のストとしては十三年ぶりの大規模ストです。
ストには組合員の八―九割が参加。同労組のマーク・サーウォッカ書記長は「ストは信じられないほどによく支持され、われわれの予想以上だ」と強調、他の公務員と比べても雇用年金省の職員の賃金が不当に低いことに対する怒りが現れていると語りました。
ストは労組の8%賃上げ要求に対し、雇用年金省が2・6%と回答したことをきっかけに組織されました。
労組幹部らが英BBC放送に語ったところによれば、雇用年金省の職員の約90%は年収一万五千ポンド(約三百五万円)以下で、その多くは一万六百ポンド(約二百十五万円)以下。低賃金が生活を圧迫し、職員の士気も下げているといいます。
さらに、政府が最高で八万人の公務員リストラを検討中であることがこのほど明らかになり、公務員労働者の怒りを買っています。サーウォッカ書記長は「全く受け入れられない」と批判しています。
十七日には運転免許試験官も賃上げを求めてストを行うほか、雇用年金省の職員も示威運動を続ける可能性があるといわれます。