2004年2月18日(水)「しんぶん赤旗」
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「六年前に死亡した人に報償費を渡したことになっている。おかしいと思わないか」と追及する日本共産党の吉井英勝衆院議員。「一般論としてはおかしい」としぶしぶ認める警察庁――。十七日の衆院予算委員会で、吉井議員は北海道警察本部が税金を流用、架空の支払いで裏金をつくっていたことを示す内部資料をもとに、道警の裏金づくり疑惑を追及、外部監査制度を導入した徹底調査を要求しました。
裏金づくり疑惑は昨年十一月下旬に発覚。国、道の捜査費、報償費(捜査協力者への謝礼名目)などを組織的に裏金としてプール、署長交際費などに流用していたことが判明しました。報償費だけで毎年一億数千万円が計上されています。
吉井議員は、裏金づくりを示す決定的な文書として、情報提供者に報償費を支払ったことを示す領収書などをふくむ北海道旭川中央警察署作成の「現金出納帳」(一九九七年九月分)と「報償費証拠書」(九五年五月分)を提示。道監査委員などの調査で、文書に添付された領収書に協力者として記載されている三十五人中、支払い段階ですでに死亡していた人物が三人も含まれ、確認した十二人中、十人が「受け取っていない」と回答したことなどを紹介しました。
吉井議員は、さらに、道警が日本共産党の道議会での追及に「不正はない」とし、警察庁も監査委員の調査に応じないよう道警に求めてきたこと、元道警釧路方面本部本部長の原田宏二氏が記者会見で不正経理を隠すため書類のつじつま合わせを「警察庁と一体でやっていた」と証言したことを指摘。原田氏の国会への参考人招致と予算委員会中の警察庁の調査報告を求めました。笹川尭予算委員長は理事会での協議を約束しました。
吉井氏は、警察の裏金づくりが各地で過去に問題になってきたことを示し「どろぼうはどろぼうを捕まえることはできない」という声も紹介して、外部監査制度の導入を要求しました。
小野清子国家公安委員長は内部資料を正式に受理するとともに「事実関係を解明するための予算検討委員会を設置した。そこで疑惑を徹底解明したい」と答え、外部監査については「いかがなものか」とのべるにとどまりました。