2004年2月16日(月)「しんぶん赤旗」
自民、民主の二大政党の「対決国会」などと報じられた通常国会。ところが、ふたを開けてみると、基本政策の上で両党に違いがないことを反映して、緊張感のない論戦や動きが目に付くようになっています。
木下厚氏(民主) (首相は)昨日の夜、衆院予算委員会の笹川委員長、大野自民党筆頭理事と三人で食事をしている。本予算(審議)の前日にこのような食事をしていることは非常に誤解を招きやすい。
首相 人間関係を円滑にしていくうえで必要なことではないか。
木下氏 そういう考えがあるんだったら、野党理事もぜひよんでもらいたいな(委員会室爆笑)。
十日の衆院予算委員会のやりとりが、十三日夜現実のものになりました。木下氏ら民主党議員五人が小泉首相とホテルで会食をしたのです。
首相が野党議員と会食をするのは極めて異例のこと。菅直人民主党代表は「緊張感が緩むという指摘は指摘として受け止める」(十四日)とのべざるを得ませんでした。
しかも、木下氏は十日の予算委で官房機密費の使い道を追及したばかりでした。
「(会食費は)機密費から出たのか」との記者団の質問に木下氏は「首相が『今日はポケットマネーだ』と述べていたので、『次は自分たちでお返しします』と話した」と悪びれた様子もありませんでした。
「自衛隊本隊がサマワ到着の前日、総理は映画を見にいって『すべてがよかった』と。まったく危機意識がない」
民主党の小泉俊明議員が十三日の衆院予算委員会でこう声をはりあげました。閣僚にたいしても「総理の施政方針演説の途中に寝ていた。危機意識がない。猛省を促したい」とばっさり。
しかし、小泉首相が「いい映画でした。おすすめできる映画です」と応じると、どっと笑いに包まれました。
こうした雰囲気を反映して、与党の公明党の論戦にも緊張感が感じられません。
十三日の衆院予算委では遠藤乙彦議員が「農業に経営感覚を」と梅の売り上げをのばしているケースを紹介、「梅にハチミツを加えたら味がよくなって、これはウメーということになった」とのべ、爆笑を誘っていました。
イラク派兵承認案にたいして民主党は衆院では与党の単独強行採決に抗議して本会議を欠席しました。しかし、参院では一転、与党の質疑終局・採決提案をすんなり受け入れました。
その「変化」を象徴する場面がありました。
九日の参院イラク有事特別委員会。民主党の若林秀樹議員は、「二大政党制になれば、両方の政党の政策が中道によらざるを得ないだろう。とりわけ外交・安全保障政策は、やはり外交の継続性、安定性から見てもかなり近いほうが望ましい」とのべ、小泉首相に「民主党への要望も含めて、ご見解をうかがいたい」と水を向けました。
小泉首相は「基本的な問題においては大きな違いはなくなっていくのではないかと思っている」とのべました。
民主党は憲法問題でも小泉首相から「自民党も憲法改正論議をすすめているし、民主党も憲法改正論議をしようとしている」と競い合いに期待を表明されています。