日本共産党

2004年2月16日(月)「しんぶん赤旗」

強制加入めぐる5訴訟

日歯連すべて完敗

“思想・信条ふみにじる”


 政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で捜索を受けた政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)に強制加入させられたのは思想・信条の自由を踏みにじり不当――と、歯科医師の起こした五件の訴訟すべてで「会員の入退会の自由」を認める原告完勝の和解・判決が確定していたことがわかりました。

それでも自民と癒着

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日本歯科医師会と日本歯科医師連盟が入るビル。入り口に自民党参院比例代表候補のポスターが=東京・千代田区

 訴訟は、一九九八年十月に、鹿児島県鹿屋市の近藤彰さん(58)ら歯科医師十人が脱会確認と慰謝料を求め、鹿児島地裁に提訴。その後二〇〇一年十一月までに京都、宮崎、福岡、大津と五つの地裁に提訴されました。

 いずれも、公益法人である日本歯科医師会(日歯)に加入すると日歯連にも自動的に加入させられ、入退会の自由がないことを問題にしました。日歯連は自民党の政治資金団体に二〇〇〇年からの三年間で約十五億円を献金、自民党費を立て替え、選挙応援をしいるなど自民党と癒着した政治団体です。

 一連の提訴を通じて、日歯連は二〇〇二年三月に規約を改正し、同年四月から入退会を自由化。このなかで、大津を除く各地裁で次々に和解が成立しました。

 和解では、同時入退会について「今後は会員の自由な意思決定を尊重する」「公益法人である歯科医師会と、政治団体である連盟を峻別(しゅんべつ)する」などの文言を広報紙に掲載させ、日歯連は解決金を原告に支払う――などが確認されました。

 さらに昨年十月には、大津地裁が「(日歯連からの)退会拒否により精神的苦痛を被らせた」として、日歯連側に三十万円の慰謝料支払いを命じ、日歯連側は控訴せず、判決が確定しました。

 しかし、日本共産党の佐々木憲昭議員が十二日の衆院予算委員会で指摘したように、規約は変えても「入退会が自由になったわけではない」(愛知県歯科医師会「愛歯月報」)などと居直る実態がなお残されており、自民党との癒着は解消されていません。


歯科医師だけではない

 鹿児島県の訴訟原告団長・近藤彰さんの話 裁判で提起した公益法人とその政治団体の峻別という問題は歯科医師だけのことではありません。政治団体の同時入退会は違法という、私たちの訴訟の成果を生かし、医師、薬剤師はじめ、幅広い業界団体など広範な人々にも呼びかけて、憲法に保障された個人の思想・信条の自由と基本的人権の問題を引き続き問うていきたい。


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