日本共産党

2004年2月13日(金)「しんぶん赤旗」

日歯連と自民の一体化

政治団体へ同時入会も

佐々木議員が実態示す


 十二日の衆院予算委員会で日本共産党の佐々木憲昭議員は、日本歯科医師会(日歯)、その政治団体である日本歯科医師連盟(日歯連)と自民党の歯科医師支部が事実上一体となっている問題を取り上げ追及しました。


写真

日歯連の入っている新歯科医師会館妻東京・千代田区

日歯連と都道府県歯連の
収支報告書記載額の不一致
各都道府県歯連日歯連
日歯連からの寄付
・交付金収入
(円)
都道府県歯連
への交付
(円)
北海道22,615,50022,615,500
青森県 3,493,0003,725,200
岩手県5,410,100
宮城県7,632,700
秋田県 5,621,5005,614,500
山形県 2,892,7503,739,200
福島県 5,719,0007,876,600
茨城県19,454,40020,975,650
栃木県 6,943,0006,943,000
群馬県 5,355,0005,355,000
埼玉県14,791,00019,852,150
千葉県12,577,00013,349,200
東京都46,218,500
神奈川県53,223,050
新潟県 2,765,0002,733,500
富山県 6,288,4403,885,750
石川県 2,975,0003,935,000
福井県 1,701,0002,284,400
山梨県 2,611,0003,215,800
長野県 6,847,2006,847,200
岐阜県 5,971,0005,971,000
静岡県9,856,000
愛知県26,614,90026,558,900
三重県 9,931,4509,892,950
滋賀県 3,124,8003,124,800
京都府 7,227,5007,227,500
大阪府30,876,65030,792,650
兵庫県18,886,50018,862,000
奈良県 3,930,5004,384,100
和歌山県 4,049,0004,049,000
鳥取県 2,040,0002,040,000
島根県 1,715,0001,715,000
岡山県11,704,00011,704,000
広島県 9,087,7509,052,750
山口県 4,203,5004,203,500
徳島県 1,600,0001,600,000
香川県 2,723,0003,816,500
愛媛県 4,413,5004,413,500
高知県 2,373,0003,103,200
福岡県17,336,75018,108,950
佐賀県2,240,000
長崎県 4,564,0004,564,000
熊本県 4,518,5004,834,400
大分県 3,300,5003,300,500
宮崎県 2,814,0003,143,400
鹿児島県 4,667,2505,196,450
沖縄県 5,258,7505,192,250
315,581,590454,379,300

 日歯連は〇二年に四億六千万円も自民党に献金し、自民党の最大のスポンサーとなっています。佐々木氏は埼葛歯科医師会(埼玉)の「入会の手引き」を提示。入会の説明には政治団体への加入について書かれていないのに、入会と同時に歯科医師会会費と歯科医師連盟の会費が徴収され、巨額の資金が自動的に集まるしくみを解明しました。

 それだけではありません。佐々木氏の調査では各都道府県の日歯、日歯連と自民党歯科医師支部の代表者と事務所の住所がすべて同じが二十四県で、日歯連と自民党支部の代表者と三団体の住所が同じが十三都府県あるなど組織、構成人員がほぼ一体化していました。

日歯連と自民党支部に食い違い

 一方でカネの流れはどうか。自民党の吉田幸弘前衆院議員(愛知三区)の場合、日歯連から二千万円の献金を資金管理団体と政党支部で受け取ったとしながら、日歯連側の収支報告書には献金の記載がなく、政治資金規正法違反の疑いで捜査が進んでいます。

 このような金額の食い違いについて佐々木氏は、日歯連と全国の自民党歯科医師支部の収支報告書を調べた結果、日歯連側には記載がないが自民党支部の報告書には日歯連から寄付金を受けた記載がある十二県の事例を指摘。逆に日歯連側に支出の記載があり自民党支部に記載がない都県は三つでした。日歯連と都道府県歯連の記載額に一億四千万円もの不一致があることも指摘しました。

 佐々木氏は「いったいこれらの資金はどこへ行ったのか、きわめて不明朗だ。自民党に直接関係するところだ」とのべ、政治資金規正法の虚偽記載にあたるのではないかと問いました。法務省の樋渡利秋刑事局長は一般論として「刑事事件として取り上げるべき事柄があれば、法と証拠に基づき適正に対処する」と答弁しました。

自民の応援団にさせられている

 日歯、日歯連、自民党支部の一体化ぶりを問題にした質問に対し、小泉純一郎首相は「歯科医師会の問題だ」と答弁したため、佐々木氏は「自民党支部と二団体の会長も会計責任者も同じ。しかも同じ事務所だ。こういうやり方で自民党の応援団をさせられている」とのべ、自民党のぐるみ選挙の実態を文書を示し明らかにしました。

 愛知県歯科医師連盟と同県歯科医師会の両会長が連名で会員にあてた文書によれば、今夏の参院選で比例代表に自民党の笹井啓史氏(新人)、愛知選挙区に大島慶久参院議員を推薦。大島氏出馬のための予備選で「支援の輪をお一人でも多く確保するため、全会員一丸となりこの予備選挙に取り組んでまいりたい」とげきを飛ばしています。

 小泉首相は「会員全部が自民党を応援していると思わない」と答弁。佐々木氏は「大衆団体を下請けに使ったぐるみ選挙は改めるべきだ」と批判しました。


 日歯連政治資金規正法違反事件 日本歯科医師会(日歯)の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)が提出した政治資金収支報告書に虚偽記載があるとして、東京地検特捜部が二日、日歯連事務所や日歯会長でもある臼田貞夫・日歯連会長の自宅などを強制捜査。容疑は、自民党の吉田幸弘前衆院議員側に〇〇年から〇二年の三年間に総額一億円を超す献金をしながら二千万円分の記載がない、という政治資金規正法違反です。



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