2004年2月12日(木)「しんぶん赤旗」
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「トヨタは社会的責任を果たせ」―。財界総理と呼ばれ、日本経団連の奥田碩会長が会長を務めるトヨタ自動車の本社工場(愛知県豊田市)前で十一日、千三百人の力強い唱和が響きました。
赤、青、黄と色とりどりののぼり、「あかんで奥田さん、従業員をいじめちゃあ」「財界・トヨタの暴走は許さない」との怒りや要求を書いたプラカード、横断幕を掲げた労働者や中小業者らがバスを借り切り、新幹線や自動車を利用し続々と集まりました。愛知県労働組合総連合などでつくる「〇四春闘トヨタ総行動」に全労連もよびかけに加わりました。
一兆円(〇三年度)を超える史上空前の利益を上げながら、労働者に賃下げ、過密労働、下請け企業には単価切り下げを押しつけるトヨタの身勝手をやめさせようと早朝、夕方の各工場門前での宣伝、昼デモ、トヨタ本社への要請と終日、行動をくり広げました。
トヨタのおひざ元で活動する豊田加茂労連の加藤一美事務局長(56)は「目をむくほどの大もうけを続けているトヨタをはじめとした大企業が、ベースアップはゼロ、下請け単価は切り下げるのでは、国民のくらしが悪くなるばかりか、日本経済だってもっとゆがんでしまう。地域からトヨタに社会的責任を果たさせる運動を強めたい」。
名古屋市内で印刷業を営む小林金作さん(62)は「奥田さんは『消費税は18%に』と中小零細業者を平気でふみつぶそうとしている。労働者のみなさんと手を携えてたたかっていく」といいます。
市内の公園で開いた集会で愛労連の見崎徳弘議長や全労連の生熊茂実副議長が「過労自殺を生みながら、期間工や派遣労働者を急増させて、雇用責任を負わないトヨタの横暴をただそう」「正当な下請け単価を支払わせよう」と訴えました。
ディーゼル排ガス規制で負担を強いられる中小運送業者などでつくるディーゼル車対策共闘会議の代表や大気汚染公害訴訟の原告も訴えました。
日本共産党の八田ひろ子参院議員が連帯あいさつをしました。