2004年2月8日(日)「しんぶん赤旗」
|
「日本歯科医師連盟」(日歯連、臼田貞夫会長)の政治資金規正法違反事件で、日歯連の不透明な経理を糾明する声が県組織から出てきました。埼玉県歯科医師連盟(埼玉県歯連)は七日までに、「現日歯連執行部が不透明な会計、選挙資金の流れに明確な答弁をしてこなかったのは遺憾」「一連の疑惑を招いた」などとして、疑惑究明の調査会設置や役員総退陣を求める文書を県内の会員あてに送付しました。
文書は、県歯科医師会・歯科医師連盟会長名で、「現日歯連盟執行部が発足以来、本連盟は日歯連盟評議員会の場で不透明な会計(選挙資金の流れ)等に関し度々質問し情報の公開を求めて」きたが、「明確な答弁が得られなかったことは誠に遺憾」と指摘しています。
さらに、これらの経緯や一連の事件をうけ、(1)日歯連評議員会の開催(2)日歯連役員の総退陣(3)疑惑究明のための調査会設置―を要求しています。
文書には、埼玉県歯連がすでに、五日の関東地区歯科医師連盟代表者会議(東京を除く)でこうした内容を提案したことも記されています。
埼玉県内の日歯連会員は、「歯科医師会は会計報告があるが、日歯連の会計報告は見たことがない。日歯(日本歯科医師会)の会員になると自動的に日歯連の会員にされ、自民党の党員にもされてしまう。なんやかんやと金を集められるが、保険点数は下がるし、政治資金にばかり使われても下の会員に恩恵はない。みんな頭にきている」と話しています。
日本歯科医師連盟(日歯連)からの自民党候補への支持、献金を「強制と感じる」という歯科医師が半数以上―。全国保険医団体連合会(保団連)が二〇〇一年の参院選前におこなった会員アンケートでこんな調査結果が出ています。
同アンケートは、日本歯科医師会(日歯)と、その政治団体、日歯連が日歯前会長で、自民党参院選比例代表から再選をめざす中原爽参院議員を“職域候補”として支援しているなかで実施されたもの。
四百七十六人の会員から回答が寄せられました。
これによると、「参院選に向けて日歯連から支持や献金を強制されていると感じますか」との設問に、「感じない」百十四人(23・9%)にたいし、二百六十六人(55・9%)が「感じる」と回答。こうした強制について、「賛成」はわずか十一人(2・3%)で、二百六十四人(55・5%)が「反対」としていました。
自由意見欄では、「歯科医師会が自民党の職域支部となり、半強制的に『中原爽』の後援会名簿を提出させるのはおかしい」「歯科医師会、連盟では、後援会員を二十名必ずつくらなくてはならないと強制的に運動させられた」「われわれの歯科医療を良くする運動は国民患者のためであり、自民党のために行うのではない」などという厳しい意見が寄せられています。