2004年2月8日(日)「しんぶん赤旗」
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政治資金規正法違反の疑いで東京地検特捜部の捜査を受けている「日本歯科医師連盟」(日歯連)が、二〇〇〇年からの三年間で自民党の政治資金団体、国民政治協会への十五億円をはじめ、自民百七人、公明二人、民主六人の計百十五人(判明分)に総額約二十一億六千五百万円を献金していたことが本紙調べでわかりました。政党・政治資金団体以外では最大の政治資金を集める日歯連の献金実態解明が重要になっています。
本紙が調査したのは日歯連の政治資金収支報告書の支出として記載されていた寄付金とパーティー・セミナー会費の合計額。
国民政治協会への献金額は日本医師連盟のほぼ倍。ひとつの団体としては最多です。政治家のトップは、歯科医師出身の吉田幸弘自民党前衆院議員(愛知三区、昨年十一月の総選挙で落選)の一億一千七百五十万円。日歯連の収支報告書には同議員の資金管理団体・政党支部への計二千万円分の献金の記載がなく、それが今回、政治資金規正法違反容疑となっています。
このほか献金上位には、厚生政務次官や厚生労働副大臣を歴任した木村義雄衆院議員、丹羽雄哉元厚相、厚生政務次官経験者の根本匠衆院経済産業委員長ら自民党厚生族議員の名前が目立ちます。
公明党は、医療・健康保険行政を担当する坂口力厚生労働相が百万円を受けていたほか、池坊保子・衆院文部科学委員長(党文化局長)が二百万円。
民主党は党本部と大阪府連が各五十万円。中野寛成副代表(献金当時)七百万円はじめ六人。
これらの献金の原資は健康保険財政であり、歯科医師会加入と同時に自動的に日歯連に入会する仕組みが「思想信条の自由の侵害」として各地で問題になっただけに献金を受ける側の責任も問われます。