2004年2月7日(土)「しんぶん赤旗」
サッカーくじ(トト=toto)を「今後、購入しない」との意向を持つ人が8割を超し、昨夏開始のコンビニエンスストア販売についても「評価できない」が半数を占め、うち4割が「青少年への悪影響」に懸念を持っている−−。こんな実態が、くじの運営母体である日本スポーツ振興センターの調査から浮き彫りになりました。
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同センターが、このほど公表したのは、毎年行っている「スポーツ振興くじtotoに関する調査報告」(注)。今回は、売り上げ激減傾向を反映して、Jリーグの関心度、くじの認知度といった指標が軒なみ低下しています。なかでも目をひくのは「今後の購入意向について」。
「今後、スポーツくじを購入したいか」の問いに、「購入する」が前回調査の6・9%から1・5%へ、「たぶん購入する」も10・1%から4・3%へ、「半々である」も22・7%から9・9%へと、1年で急激に落ち込んでいます。
一方、「購入しない」は22・4%から43・2%と倍増し、「たぶん購入しない」(40・5%)と合わせると全体の8割以上が、買わないとの意向を示しています(前回は約6割)。
これまで「購入」意欲を持っていた人々が、その意欲を急速に失い、「買わない」側に流れてきている実態が、数字にくっきり表れています。
その理由は何か。上位に並んでいるのが、(1)Jリーグに関心がなくなった(31・4%)(2)当せんしそうな気がしない(20・7%)(3)当たる確率が低い(19・9%)−となっています。
さらに、コンビニエンスストア販売についても興味深い結果が出ています。
コンビニ販売を「大変評価できる」「評価できる」とする回答はそれぞれ4・2%、42%。これにたいし「あまり評価できない」(29・7%)、「評価できない」(19・8%)の合計が約5割となり、「評価しない」派が上回っています。
しかも、評価しない理由で一番多かったのは、「青少年への悪影響が心配だから」。他の理由を大きく引き離す38・9%という高い数字となっています。
また、トトを購入したことがない人の17・5%が「くじは嫌い」だからと答えているなど、全体として、サッカーくじが世論の支持を得られていない実情を裏付ける結果となっています。これらはトトの問題性を一貫して訴えてきた運動と健全な世論の反映でもあります。
さらに「販売方法等がどう変われば、もっと購入するか」の設問には、「1等を1億円から2億円に引き上げる」が16%(複数回答)で、回答の4番目にとどまっており、文科省が現在、狙っている賞金引き上げが、売り上げアップの起爆剤にならないことも示唆しています。
(注)昨年9月に全国の19−69歳の男女5千人を対象に行い、有効回答は3579人。