2004年2月6日(金)「しんぶん赤旗」
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農水省の日本の食料自給率に関する世論調査(四日発表)は、消費者で84・9%、農業者で90・4%が、現在40%(二〇〇二年度)にまで低下している食料自給率を「大幅に引き上げるべき」と回答していることなどを明らかにしました。
これは、自民党政治や小泉内閣が推進してきた輸入促進・国内中小家族農家切り捨ての農政に対する、国民の厳しい批判を事実上、反映しています。
日本政府は、これまでコメ輸入などを認める世界貿易機関(WTO)協定を受け入れたのをはじめ、最近では自由貿易協定(FTA)の推進など、いっそうの農産物輸入拡大につながる施策を強行しようとしています。食料自給率の異常な低さは、こうした農政の結果です。
また、調査が、輸入容認など、小泉内閣が現在進める農業の「構造改革」を説明した上で、将来の食料供給について聞いた質問に、消費者、農業者とも九割以上が「不安を感じる」と回答したのも、圧倒的多数の国民がその「改革」に不安をもっていることを示すものです。
農水省は昨年八月二十九日、農相談話で、食料自給率向上の目標(二〇一〇年度に45%)などを定めた「食料・農業・農村基本計画」の見直しの方針を表明。見直しの方向は、二〇一〇年度という目標年度を二〇一五年度にする(農水省が今年一月三十日に公表した「議論の素材」と題する資料)など、45%という低い目標の達成すら先延ばししようというものです。
今回の世論調査は、この見直し作業の一環として実施されたものですが、結果はそうした農水省の方針を批判するものになりました。(今田真人記者)