日本共産党

2004年2月5日(木)「しんぶん赤旗」

道路公団への青木議員圧力

藤井メモと公団調査一致

本紙が情報公開で入手


 日本道路公団の藤井治芳前総裁が公団工事入札にからみ自民党の青木幹雄参院幹事長から「圧力」をかけられたとしている問題で、藤井氏が記したとされる“藤井メモ”と公団の内部調査が大筋で一致していることが分かりました。本紙が情報公開請求で入手した公団文書で判明したもの。公団への政界圧力を示す“藤井メモ”の真相解明がいよいよ重要になっています。

 本紙が情報公開請求で入手したのは昨年十二月二日付の「平成13年12月時に工事発注手続きを一時停止した工事に関わる経緯」と題するA3判八枚の公団文書。青木議員の地元、島根県の山陰自動車道・仏経山トンネル西工事を中心に十三工事の入札が延期された経緯について、公団が職員から聞き取り調査などしてまとめたものです。

 藤井前総裁が記したとされる“藤井メモ”では、青木議員による「圧力」疑惑が浮上している仏経山トンネル西工事の入札が延期となった後の〇一年十二月二十日、秘書と称して青木議員が総裁に電話。文書で十三工事を外した理由と発注したものの理由を詳しく説明しろなどといった、と記されています。

 公団文書にも、二十日に「青木議員からJH(注・日本道路公団)総裁にTEL」と書かれており、「内容不明」となっているものの、青木議員から電話のあったことは“藤井メモ”と一致しています。

 “藤井メモ”には、同じ二十日に「古賀誠(注・自民党元幹事長)から小笠原(注・公団理事)へ電話」「13本の工事を凍結するとは、けしからん」などの記述があります。公団文書にも同じ日に「古賀道路調査会長からJH理事にTEL 13件の工事見送りについて説明の要請」と記されており、これも“藤井メモ”と一致しています。

 また、“藤井メモ”では、二十日から翌二十一日にかけ、青木議員が国土交通省道路局長などに電話をかけ、それを受けた道路局が公団に青木議員のところへ資料を持っていくように指示したことなどが書かれています。

 一方、公団文書では、二十一日に「国交省高速国道課長よりJH高速道路部長に、青木事務所への説明にJHも随行すべく要請あり」「国交省高速国道課長が入札取消件名リストを青木事務所へ持参・説明 なお、この際、JH理事・高速道路部長が随行」などと記載。国交省が公団に青木事務所へ説明にいくように迫るという経過は大筋で一致しています。

 公団文書では、藤井氏からのヒアリングをしていないため、青木議員が公団や国交省にどのような「圧力」をかけたかは記されていません。今後、“藤井メモ”の検証があらためて求められます。

 ●本紙入手資料 本紙が入手した「平成13年12月に工事発注手続きを一時停止した工事に関わる経緯」は、近藤剛総裁の指示で公団が調査しつくったものです。このなかでは自民党の青木幹雄参院幹事長側と公団側の接触は計六回。青木議員が藤井治芳総裁(当時)に一回電話、公団側が青木議員側に五回説明したことなどが記載されています。


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