2004年2月4日(水)「しんぶん赤旗」
赤潮発生や秋芽ノリの大凶作、タイラギの死滅などの有明海異変は農水省の諫早湾干拓事業が原因だとして、工事の中断と中長期の開門調査の実施をもとめ、「よみがえれ! 有明海訴訟」支援の市民団体は三日、東京・文京区内で「東京・首都圏のつどい」を開きました。集会には同訴訟を支援する東京・首都圏の会や全国の会、同訴訟の弁護士はじめ、道路公害とたたかう東京大気汚染公害訴訟原告団のメンバーら五十人以上が参加。
「有明海はいま瀕死(ひんし)の状況」「宝の海を取り戻そう」と運動を交流。「よみがえれ! 有明海訴訟」では、ことし三月にも佐賀地裁で工事差し止めの「決定」を勝ち取るために世論と運動を広げ、「三月三十日には、人間の輪で農水省を包囲しよう」と呼びかけました。
同訴訟弁護団の後藤富和弁護士は「四年連続のノリ不況で、地元の漁民は、もう自殺するしかないとまで訴えていた。お互いに連帯保証人になって借金しても、みんな採れないので、借金が返せなくなる。早く裁判で結論をださないと、漁民のがんばりにも限界がある」と語り、工事差し止めの仮処分の「勝利決定」を勝ち取る意義を強調。「いま緊急に必要なことは、漁民への被害補償と、中長期開門調査を急ぐこと」と訴えました。
同訴訟を支援する全国の会の岩井三樹事務局長、同東京・首都圏の会の大島文雄事務局長らが「漁民の命がかかった一刻も猶予できない事態になっている」と現地報告し、「公正判決を求める要請」署名を二月二十六日までに三十万人にひろげていくことなどを確認しました。