2004年2月4日(水)「しんぶん赤旗」
農林水産省は三日、山口県の養鶏場で発生した鳥インフルエンザ問題で、卵の出荷制限を受けている周辺の養鶏農家に対し、制限期間中、損失額の半額を助成すると発表しました。周辺養鶏農家にまで損失額助成が行われるのは初めてです。同省は損失助成や鳥インフルエンザの知識普及などの対策も合わせ、約一億四千万円の予算をあてます。
日本共産党国会議員団は、一月十三日の問題発生以来、周辺農家まで含めた緊急助成を政府に求めてきました。農水省畜産振興課によると、現在、発生養鶏場から半径三十キロ圏内の「制限区域」には十七の採卵養鶏場があり、計約百万羽の採卵鶏がいます。出荷制限は二月後半にも解除される見通しといわれますが、養鶏農家は巨額の損失をこうむっています。
党国会議員団は発生直後の十六日、緊急現地調査を実施。周辺農家の切実な要望をもとに二十三日、農水省に対し「周辺農家への損失助成」を求める申し入れを行いました。また二十八日の参院農林水産委員会で同問題を取り上げた日本共産党の紙智子議員に対し、亀井善之農水相は「十分検討させていただきたい」と答弁していました。
山口県阿東町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザの調査を進めている農水省の「家きん疾病小委員会」は三日、ベトナムの感染者から見つかったウイルスのデータと比較した結果、両ウイルスは同じ「H5N1」型ですが、遺伝子の配列が異なる別の種類であることが判明したと発表しました。香港で見つかったウイルスとも異なることが分かっています。