日本共産党

2004年1月30日(金)「しんぶん赤旗」

飯島首相秘書官

藤井前総裁へ2度電話

深まる道路公団介入疑惑

情報公開文書で判明 内閣答弁と相違


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本紙が情報公開請求で入手した日本道路公団の「飯島秘書官関係調査結果」と題する文書

 日本道路公団の藤井治芳前総裁が人事にからみ飯島勲首相秘書官から電話があったと明らかにして問題になっていますが、本紙が情報公開請求で入手した公団文書に飯島秘書官から二回、藤井氏に電話があったと記載していることがわかりました。小泉内閣は穀田恵二日本共産党衆院議員の質問主意書にたいし、「(飯島秘書官が)お尋ねにある内容の電話をかけた事実はない」と否定しており、あらためて疑惑解明が求められています。

 本紙が情報公開請求で入手したのは昨年十二月二日付の「飯島秘書官関係調査結果」と題するA3判二枚の文書。近藤剛総裁の指示で、公団内の役員や職員に聞き取り調査した結果をまとめました。藤井前総裁自身へのヒアリングはおこなっていません。

 「調査結果」では「飯島秘書官から藤井前総裁への接触は、電話による2回」と電話があった事実を確認しています。

 「調査結果」ではその具体的内容についても記載(肩書き、役職は当時)しています。一回目の電話は、昨年七月末ごろ。「総理秘書官の飯島」と名乗った総裁あての電話を、秘書課女性職員が受け取りました。取り次ぎを受けた秘書役が総裁室に走って、「飯島秘書官から電話が入っています」とのメモを渡し、電話を転送した、と記しています。

 この直前、小野邦久不動産適正取引推進機構理事長(元国土交通事務次官)から副総裁に「えらい人が総裁に電話したいが携帯電話の番号を教えてほしい」旨の電話があり、副総裁は秘書役に問い合わせた結果、「総裁から電話する」「今なら総裁室にいる」などと答えたといいます。

 当時、総裁室で企画部長から説明を受けていた藤井氏はソファ脇の電話をとり、企画部長はその場にとどまり、藤井氏の電話が終わるのを待ちました。電話の時間は約五分程度で、企画部長は、相手の声は大きな声だという感じで、電話終了後、飯島秘書官からだったと総裁から告げられた、といいます。

 二回目の電話は、秘書役の記憶では一回目の電話から二、三週間後。「総理秘書官の飯島」と名乗った総裁あての電話を秘書課女性職員が受け取り、秘書役に取り次ぎ、秘書役は総裁室に走って「飯島秘書官から電話が入っています」と口頭で伝え、電話を転送しました。総裁室には藤井氏以外いなかったため電話対応の状況は不明としています。

 藤井氏は雑誌などのインタビューで、公団前四国支社副支社長などの人事をめぐり、飯島秘書官が複数回、電話をかけてきて「処分するな。そのままにしておけ」「刑事告訴など、絶対にやめろ!」「悪いようにはしない」などと怒鳴ったと語っています。小泉内閣が否定した電話について、少なくとも二回の電話があったことが公団の調査で判明したわけで、今後、電話内容をふくめた真相究明が国会でも重要になってきます。


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