2004年1月29日(木)「しんぶん赤旗」
政党の政策を“採点”し、献金配分の基準とする――今回の日本経団連の「政党評価」方式の導入で、献金をもらう政党の側の政策面でのすり寄りが深まっています。献金欲しさの言動も目立ちます。(語録参照)
自民党は総選挙直前の〇三年十月二日に日本経団連と懇談。安倍晋三幹事長は「日本経団連の要望・意見を取り入れながら、党としても構造改革、デフレ克服に全力を傾けたい」と表明しました。
実際に政権公約では日本経団連が示した「優先政策事項」のうち、法人税率引き下げを「法人課税の抜本的見直し」という表現で取り入れ、消費税率引き上げも将来の課題として盛り込みました。
昨年末の自民、公明両党の税制「改正」大綱では「〇七年度を目途に、消費税を含めた抜本的税制改革を実現」と明記。消費税増税の「検討」期限を明確にしました。
今年の党大会で決めた運動方針では消費税引き上げや法人・資産課税の抜本的見直しのほか、医療、福祉、労働、農業などへの株式会社参入、道州制や二国間貿易自由化協定(FTA)の推進など財界要求が並びました。環境税に反対の財界に呼応し、環境税については「国民経済や産業全般に与える影響などを十分考慮」と及び腰です。
活動方針では、経済同友会などの経済団体や、二大政党制論を誘導した二十一世紀臨調などの政策提言団体と「意見交換、政策立案の共同作業を前進させ」ると明記。参院選の政策にも反映させるとしています。
また、「党幹部を中心に経済団体とのコミュニケーションを活発化し、二大政党のもう一つの政党としての民主党に対する一層の理解と、関係の強化をはかります」とものべています。
菅直人代表は日本経団連の機関誌『経済トレンド』に特別寄稿し、同党が進化させるとしているマニフェストについて「外交防衛政策、税制改革、産業政策など踏み込みが不十分な部分があったと思います。今後一層の努力を重ねていきます」と“決意表明”しました。
■小泉純一郎首相
「(日本経団連が)献金しようというんだったら、私は喜んで受け取ります」 (03年10月1日、衆院予算委員会)
■山崎拓幹事長(当時)
「(あっせん再開について)前向きに判断してもらい、大変ありがたい」(03年6月17日、日本経団連との懇談で)
■菅直人代表
「資金提供があれば、シンクタンクの設立運営資金に充てたいと考えています」(『経済トレンド』04年1月号)
■小沢一郎代表代行
「(経団連からの献金について)出してもらいたいですね」「いいことです」(『月刊政界』03年10月号)
■岡田克也幹事長
「政策実現の実績だけでは与党に有利になる。政治改革や政権交代への姿勢なども基準に入れてほしい」(03年7月16日、日本経団連との会談で)