2004年1月29日(木)「しんぶん赤旗」
日本経団連(奥田碩会長)は二十八日、一九九三年以来中止してきた企業の政治献金「あっせん」を再開するため、政党の“通信簿”(政党政策評価)を発表しました。財界・大企業がカネの力で政治を支配することが狙い。国民主権の原則を壊すものです。
日本経団連が先に発表していた消費税増税、法人税減税など十項目の「優先政策事項」にもとづいて(1)各党の政策との合致度(2)実現に向けた取り組み―を評価。「推進」の度合いでAからE(「逆行」)まで五段階で格付けしました。対象は、企業の政治献金を「受け入れる意思を明らかにしている」自民党と民主党の「二大政党」です。
自民党についての総評では「(政権公約は日本経団連の)優先政策事項の方向とほぼ一致」と評価。民主党については「規制・行政改革、住宅政策など、優先政策事項の方向に沿う政策も見られる」とする一方、「環境政策、雇用政策など方向の違いがある」と注文をつけています。
政策の「合致度」の評価をみると、自民党はAが二つ、その他がすべてBで“合格点”。民主党はAはなかったもののBが五つで、Cは三つ、Dは二つ。社会保障「改革」では、自民党について「消費税の将来的引き上げ等を打ち出し方向が一致」しているが、「明確な将来像」は示していないとしてB。民主党は「消費税の一部年金目的税化」など方向の一致もあるが、将来の「展望が見えない」としてC。
同日、記者会見した奥田碩日本経団連会長は「(評価を総合点で示すと)自民は八十五点くらい、民主は五十点以下」と採点しました。
ただ、今回の“通信簿”は第一次です。通常国会の実績を踏まえて「第二次評価」を行い、今夏の参院選前に公表するとしています。献金をテコに、財界の意向に沿った形で自民党と民主党をさらに競わせる考えです。
献金目標額は、同会の年会費相当額で、約四十億円。現在、約二十億円の加盟企業による政治献金の倍増をめざしています。