日本共産党

2004年1月25日(日)「しんぶん赤旗」

これが 武富士流“営業指導”

「バキ」(罵声+檄)で社員締め上げ


 「ボケてんのか、この野郎」――。サラ金最大手「武富士」のオーナー・武井保雄被告(74)=盗聴容疑で起訴=の二男、武井健晃専務(33)がノルマ達成のために部下を罵倒(ばとう)する会話の録音テープが明らかになりました。同社は、過大なノルマによる社員のしめつけ、違法な業務が指摘されており、営業をとりしきる同専務の言動もその体質をあらわす問題として注目されています。


武井被告二男の会話テープ

写真
武富士本社ビル=東京・新宿区

 テープ(内容別項)は、罵声を浴びせられた元ブロック長(十数支店を統括する役職)の男性が録音したもの。男性は昨年十二月、精神的苦痛を受けたとして損害賠償などを求めて同社を提訴しました。

 元社員によると、武富士社内で罵声の電話は「バキ」と呼ばれていました。罵声と檄(げき)をあわせた言葉だといいます。「どんな屈辱的なことをいわれても『申し訳ありません』といわなくてはいけない。反抗したら降格されたりする。ノルマを達成しようと(違法業務などの)無理をするようになる」と話します。

 健晃専務は一九九九年から同社営業統括本部長に就任し、その後人事部長なども兼任。前会長の武井保雄被告は、「武井本部長の仕事ぶりは天才的だ。…この勝利者に迷わずついていき、二一世紀の勝ち組になってもらいたい」(二〇〇一年「年頭の辞」)と持ち上げています。

 健晃専務がらみの盗聴も指摘されています。同容疑で起訴された元法務課長の中川一博被告は、二〇〇〇年九月の元支店長・藤井龍さんの盗聴について「健晃氏の要請を受けた武井会長から命じられた」と法廷でのべています。藤井さんは、業務指導にきた健晃専務に同行した社員に暴行をうけ、告訴した後に盗聴されました。

 武富士は二〇〇二年度の申告所得で全国で十一位と、都市銀行も大きく上回る利益をあげ、日本経団連にも加盟していますが、その体質が大きな問題になっています。


ボケてんのか、この野郎/辞めたほうが……

 【2003年6月9日】

 武井 回収いくらだ?

 男性 2710(万円)でございます。

 武井 全然回収してねえじゃん。

 男性 申し訳ございません。

 武井 この野郎。ボケてんのか、この野郎。

 男性 本部長、申し訳ございません。

 【同年7月23日】

 武井 回収、いくら、今。

 男性 回収、830でございます。

 武井 約(返済の約束)は?

 男性 2900。

 武井 全然足りねえじゃん。

 男性 申し訳ございません。

 武井 何でやらないんだ、おまえ。

 男性 本部長、やります。申し訳ございません。

 武井 引き返してやりいや。

 男性 やります。

 武井 おまえら、何でやらねえんだ、おらーっ。

 男性 やります。絶対やります。

 【同年8月】

 武井 何もやらねえじゃん、おめえ。

 男性 いや、やります。

 武井 全然ダメだよ。

 男性 申し訳ございません。

 武井 ダメな人をいつまで置いといてもさ、ダメになるよ。

 男性 本部長、やります。

 武井 ズルズルやるなよ、おまえ。

 男性 やります。申し訳ございません。

 武井 おまえ、ラリ公みてえなやつだな。

 男性 やります。

 武井 おまえ、無理なんじゃないの。

 男性 絶対やります。

 武井 辞めたほうがいいんじゃないの?

 男性 絶対やります。


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