2004年1月24日(土)「しんぶん赤旗」
東京都内で開かれていた全労連(全国労働組合総連合)の第三十四回評議員会は二十三日、二日間の討論を経て閉会しました。雇用や賃金破壊、イラク派兵強行、年金改悪などの攻撃にたいし、財界・大企業の社会的責任をただし、非正規労働者と青年に光をあてる国民総決起春闘を地域からおこしていくとの春闘方針を採択。また、千四十七人のJR採用差別事件を政府の責任で早期解決するよう求める特別決議をあげました。
政治への介入や賃下げ攻撃など財界の攻撃が強まるなか、トヨタへの包囲行動をはじめ財界・大企業の社会的責任を徹底して追及していく発言が相次ぎました。
「中部電力は六十五億円のサービス残業(不払い労働)代を払ったが、高校卒業生をまるで採用せず、高校関係者も嘆いている」と発言したのは愛知の愛労連の評議員。「期間工しか雇わない、自動車整備士試験の漏えいをおこなう、一兆六千億円ももうけておいて“賃上げは論外”という」とトヨタの“罪状”をあげ、二月十一日の「トヨタ総行動」を成功させると訴えました。
埼玉の埼労連の評議員は、「大型バス一台を借り切って、トヨタ総行動に参加する。広範な人たちが、大企業の横暴に腹をすえかね、怒りが広がっている。財界の総本山を攻め、地域総行動を昨年を上回る百地域で実施する」と発言しました。
福島県労連の評議員は、「イラク派兵問題で県内の三十六の市町村で意見書を採択できた。自衛隊員の父母も採択を働きかけ、県労連加盟でない組合との共闘もすすんでいる。さらに自治体への働きかけを強め、年金、消費税、雇用問題で首長の賛同をえていく」とのべました。
北海道労連の評議員は、イラク派兵反対に必死にとりくんで教職員の共感を呼び、高教組で数十人の組合員を迎えたと報告しました。
秋田県労連の評議員は、中立組合を訪問した経験や、市町村合併や病院・高校の統廃合で働きかけ、「この地域をどうするのか」と共同の輪が広がっている経験にふれ、「情勢をよくつかめば確信がわく」と発言しました。
「非正規労働者と青年に光をあてる春闘」との方針に賛同の声があがりました。
大阪労連の評議員は、金属やタクシーなどで組合加入が相次ぎ、プラズマテレビ生産でフル稼働している大企業に請負企業の社員として派遣されている青年が「めちゃくちゃな勤務シフトで働かされている」と相談を寄せるなど、とくに青年のなかで期待が高まっているとのべました。
群馬県労会議の評議員は、関東を中心に七百二十店舗を持つ「写真屋さん45」に働く青年たちが、無権利はごめんだと立ち上がっていることを報告。埼玉県では全店舗を訪問して対話していると発言しました。
長崎県労連の評議員は、県立学校で非常勤職員の組織化がすすみ、学校給食の民間委託攻撃のなかでも当局が雇用継続をいわざるをえなくなっていると紹介。香焼町の町職組が、住民とともに住民サービスが低下する市町村合併反対の運動をすすめ、合併推進の町長をリコールに追い込んだと発言しました。
京都総評の評議員は、全労連近畿ブロックや全厚生京都支部で「年金紙芝居」をつくってとりくんでいることを紹介。自治労連評議員は、年金パネルなどで年金学習会をおう盛に開こうと、講師養成を精力的におこなっていることをのべました。