日本共産党

2004年1月23日(金)「しんぶん赤旗」

すべての労働者に賃上げを

大企業は社会的責任果たせ

全労連が春闘方針提案


評議員会開く

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04春闘を前進させようと活発に討論する全労連評議員会=22日、東京・文京区

 大企業・財界が賃金ダウンをねらうもとで本番に突入した二〇〇四年国民春闘を労働者・国民の力で勝利しよう−。全労連(全国労働組合総連合)は二十二日、春闘方針を決定する第三十四回評議員会を東京都内で開きました。二十三日までの日程です。

 あいさつした熊谷金道議長は、開会した通常国会で小泉首相がイラクへの自衛隊派兵や「構造改革」を推進する悪政を強めていることを厳しく批判。平和とくらしを破壊し、「保守二大政党づくり」をすすめ、政治も買収しようとする財界・大企業の「思い上がった」横暴を断固許さず、社会的責任を徹底して追及していこうと呼びかけました。大企業が史上最高の利益をあげながら、大企業労組が賃上げ要求を見送るという情勢のもと、すべての労働者に賃上げをとの要求を掲げ、運動の前進に確信を持ち、年金改悪にはストライキでたたかっていくことを強調しました。

 春闘方針案の提案で坂内三夫事務局長は、この間のたたかいで地域最低賃金の引き下げをくい止め、サービス残業(不払い労働)を大幅に改善させるなど、多くの成果をあげたことを報告。「たたかえば要求と運動は前進する」とのべ、〇四国民春闘で(1)大企業の社会的責任をただす(2)非正規労働者と青年に光をあてる(3)地域春闘の本格的な前進で地域から「国民総決起」をかちとる(4)戦争反対、憲法改悪を許さない(5)組織拡大・強化、全員参加をつらぬく−ことを訴えました。

 賃金闘争では、「誰でも一万円以上の賃上げ」をかかげ、財界・大企業がねらう賃下げを許さず、すべての労働者の賃金底上げをはかるよう提案。「時間給千円以上に引き上げる」「〇四春闘で五十円以上の引き上げをはかる」要求でパートなど非正規雇用労働者の時給引き上げや、最低賃金の改善をはかることを強調しました。

 雇用破壊を許さないたたかいでは、国立病院の賃金職員の雇用継続、千四十七人の解雇撤回を求める国鉄闘争、NTTリストラ反対とともに、トヨタに象徴される大企業の横暴を告発し、働くルールを確立する運動を強めようとのべました。


年金改悪阻止でスト提起

 全労連の春闘方針案は、年金改悪阻止を〇四春闘の最大の国民的課題として位置づけ、熊谷議長を本部長とする全労連年金闘争本部を設置して総力を結集してたたかうことを提案しました。

 年金制度の問題で、財界・大企業は「年金の企業負担を増やすな」「企業負担を減らして消費税で」と労働者・国民に犠牲を押しつける主張をしています。しかし、企業負担でいえば、法人税率はこの十数年間で42%から30%まで軽減され、国の税収減の大きな要因となっています。その一方で、大企業は「史上最高益」といわれる莫大(ばくだい)な利益をあげています。

 全労連は、年収五百万の労働者で毎年約二万二千円の労使負担増となる「史上最悪の改悪」(坂内事務局長)であり、年金改悪反対闘争を「第二の賃金闘争」と位置づけて、すべての組合がストライキなどたたかいをかまえ、労使の共同を追求しながら、中小企業、商工業者、農民、老人クラブなどとの共同をひろげることを提起。また、給付の大幅削減に反対するとともに、現行の年金給付を削減する物価スライド凍結解除に反対してたたかうとしています。

 二月二十五日の地域総行動、四月十五日の年金ストライキを運動の節目に設定し、当面のとりくみとして(1)年金・消費税問題での五百万署名・五万団体署名の達成(2)毎週水曜日のいっせい宣伝・署名行動の展開(3)広範な労働組合や団体にたいする「4・15年金スト」の共同の呼びかけ(4)新聞や雑誌への意見広告(5)国会前の座り込み行動の強化−に全力をあげるとしています。


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