2004年1月19日(月)「しんぶん赤旗」
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【ムンバイ=小玉純一】原水爆禁止日本協議会は十七日、インドのムンバイで開催中の世界社会フォーラム(WSF)で「グローバル被爆者の証言 いま核兵器の廃絶を」と題して討論会を開催し、日本や韓国、インド・パキスタンの核兵器被害者の証言に約五百人が耳を傾けました。WSF四年の歴史で日本の被爆者証言をメーンとする企画は今回が初めて。
日本原水協代表団長の吉野良司さんは「核兵器による絶滅の恐怖からの解放は、一極支配から解放された世界をめざすWSFの目標の一部だ」とあいさつしました。米フレンズ奉仕委員会のジョセフ・ガーソンさんは、来年の核不拡散条約(NPT)再検討会議へ向け核兵器廃絶を迫る草の根からの運動を呼びかけました。
証言では被爆者の小西悟さん、中山高光さんが五十九年前の広島・長崎の悲劇を語りました。日本に徴兵され広島で被爆した韓国の郭貴勲さんは在外被爆者への補償を日本政府が拒否していると告発しました。
インド・ジャルカンド州ジャドゥゴダのウラン鉱山で被ばくしたガンシャム・ビルレーさんは労働者の放射線被害、とりわけ被害女性への差別について発言。パキスタンの核兵器実験場近くの村のファイサル・バロチさんが放射線被害の科学的調査の必要性を訴えました。
証言に聞き入っていたインド・カルナタカ州の鉄鋼労働者レミ・レディさん(49)は、「今でも被爆者とその子孫が肉体的にも精神的にも苦しんでいることがよくわかった。新しい被害者を生まないために平和が必要だ。人間を大事にして核兵器をなくさなくては。もちろんインドの核兵器も」と感想を語り、主催者が配布した「いま、核兵器廃絶を」国際署名に応じました。