2004年1月18日(日)「しんぶん赤旗」
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党綱領改定案の討論の結語にたった不破哲三議長は最初に、六十二カ所におよぶ修正点を説明。多くは「文章の流れ、整合性、より適切な表現にしたためのものだ」とのべたうえで、労働者の状態についての叙述の補足、教育分野での改革方針を一項目くわえたこと、天皇条項についての叙述の補強などを説明し、「全党の英知でより表現が適切なものになったことを喜びたい」とのべました。
不破議長は全体の討論について、「たいへん活発な討論が展開され、綱領の内容を深める発言と同時に、すでにその内容を大いに語り、未来社会論が青年のあいだに期待を広げていることなど、私たちの事業の魅力を綱領を材料に国民のあいだに広げる活動がすでに始まっていることを示す発言がたいへん多かった。これは、力強く、また頼もしいものだった」とのべました。
そのうえで、「新しい綱領をふまえて“なにをどう語るのか”」を三つの角度で言及しました。
一つは、現在の日本についてです。
多くの国民が悪化する現実にいらだちを募らせているなかで、新綱領が経済の問題、政治・外交の問題でも「このままではいけない」という問題点がどこにあるのか、日本の社会の構造のどういうゆがみをなおす改革が必要なのかを明確にしていると強調。「日本のどこが『このままではいけないか』を語り、その現状を変革してゆく民主的改革のプログラムは何かを大いに語ろう」とよびかけました。
語るべき二つ目は、現在の世界についてです。
不破議長は、小泉内閣の目でみると世界はアメリカの一国主義が支配する希望のない世界、戦争と軍事だけがものを言う荒れ果てた世界のようにみえるが、現実の世界では多数の諸国民、諸民族が平和を求め、その実現に道を開こうとするなど、一国で世界を動かすことはできない新しい現実が展開されていることを力説。新しい綱領が描き出しているのは、そういう今日の世界の新しい現実であり、展望だとのべ、「私たちが生きている世界の、この発展的な現状、立ち向かうべき困難はあるが、同時に多くの希望に満ちた現状を大いに語ろう」とよびかけました。
三つ目は、日本と世界の未来です。
不破議長は、新綱領は「日本と世界の未来の壮大な展望を語っている」とのべ、日本共産党という党名とも結びついた人間社会の未来像がそこにあると指摘。現実の世界は厳しい矛盾と困難の連続とみえるかもしれないが、「それらの日々の連続を一つの時代と振り返ったとき人間はその苦闘を通じて、巨大な進歩が成し遂げられたことに改めて驚く。二十世紀がそうだったではないか」と問いかけ、二十一世紀は人類社会がさらに新たな躍進にむかう世紀になることを力説しました。
そして、壮大な未来社会の展望にふれながら、「日々の現実で私たちは多くの困難にぶつかるが、共産主義者は、新しい時代を開こうとする開拓者の集団であり、私たちがぶつかる困難とは、未来を開く開拓者が経験する困難です。だからこそ、困難な日々のなかにも多くの笑いとユーモアがあり、豊かなロマンがある」と訴え、日本と世界の未来を大いに語ろうとよびかけ、大きな拍手に包まれました。