2004年1月16日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の不破哲三議長は十五日、二十三回党大会会場で、チェコ・モラビア共産党と米国からの個人来賓マークイット氏と懇談しました。
不破議長は、チェコ・モラビア共産党のハッサン・シャルホ国際関係部長、オスカル・マレク幹部会委員と懇談し、同党から前大会に続き今回も代表が派遣されたことに謝意をのべました。
シャルホ氏は、全国で地道な活動をおこなっている日本の党員、党支部の「活動スタイル」に言及し、「われわれは四十年間、政権党だったのでそういう活動をしてこなかった。経験に学びたい」とのべました。同氏はまた、二〇〇二年六月のチェコ総選挙の結果や、チェコの欧州連合(EU)加盟、北大西洋条約機構(NATO)にたいする同党の政策を説明しました。
不破議長は、チェコ・モラビア共産党が旧体制崩壊後の複雑な情勢のもと、国民の支持を広げて国政選挙での前進をかちとっていることに祝意をのべました。不破氏はまた、党大会初日の衛星中継をみた全国の党員から、壇上に並んだ外国来賓の姿をみて励まされた、という多くの声が寄せられていることを紹介しました。
シャルホ氏は、五月のチェコ・モラビア共産党大会へ日本共産党が代表を派遣するよう招待しました。
不破議長は個人来賓として出席した米国の科学誌『自然・社会・思想』編集者でミネソタ大学物理学部名誉教授のアーウィン・マークイット氏と懇談しました。
アメリカ共産党員でもあるマークイット氏は、両党関係の正常化に大きなよろこびを表明。同氏は、大会会場をいっぱいに埋めた代議員の規律の正しさにふれ、「緊迫した真剣さを感じる」と語りました。
不破議長は、綱領改定に関連して、『ゴータ綱領批判』のレーニンの解釈について立ち入った研究をおこなったことを紹介しました。英訳ができればぜひ読んでくださいとのべ、マークイット氏も、雑誌にその論文の英訳を掲載したいとのべました。
このほか、自然科学の発展と弁証法的唯物論の問題、社会主義市場経済の問題などについて、意見交換しました。
志位和夫委員長は十五日、第二十三回党大会の会場で、フランス共産党、インド共産党、米国からの個人来賓クリス・タウンゼント氏と懇談しました。
志位委員長とフランス共産党のリシャール・シェーアン全国執行委員との懇談では、まず、イラク戦争反対をはじめ、反戦平和の課題でともに共同を強めていくことが話しあわれました。さらにシェーアン氏は、経済のグローバル化のもとで、「欧州連合(EU)が発展するなか、国有企業が多国籍企業や外国の影響下におかれ、安い労働力を獲得するという問題が起きている。この分野であなた方と共同していきたい」とのべました。
志位氏は「私たちの立場は反グローバル化ではなく、民主的ルールのある国際経済秩序をつくるべきだという立場です」とのべました。雇用問題で民主的ルールをつくる重要性とあわせて、「アジアでも日本の多国籍企業が一方的にもうけるのではなく、アジア諸国と互恵的な関係を築く必要があります。それは各国人民の運動の共通問題となるべきです」とのべました。シェーアン氏は「同じ考えであり、この分野でも協力を強めたい」とのべました。
インド共産党のマンジュ・クマール・マジュムダール全国執行部員は、志位委員長との懇談で、大会でおこなわれた二つの報告を大きな関心をもって聞いたこと、さらにノートにびっしりと書かれた代議員の発言メモを示して、「これは私たちのたたかいを支援するものです」と語りました。
マジュムダール氏は、自ら西ベンガル州で活動していることを紹介しながら、三月にも総選挙が予想される最近のインドの国内情勢の特徴を紹介、左翼諸勢力の団結が必要とのべました。
志位委員長は、二〇〇二年十二月の西ベンガル州訪問にふれ、「すばらしい改革が進んでいることを見ました」と語り、日本に帰国後、日本の人口に近い八千万人が住む西ベンガル州で左翼政党の統一戦線が二十六年にわたり政権を担っていることを話すと、驚きの声があがると紹介。「みなさんの運動の前進を心から願っている」とのべました。
志位委員長と懇談した全米電気通信機械労組ワシントン事務所役員のクリス・タウンゼント氏は、「日本を全体として理解するのにいい体験です。アメリカでいろいろな問題にとりくむためにも、いい経験となります」と、大会の印象を語りました。
志位委員長は、ブッシュ大統領の政策に対する米国内の世論や、大統領選挙について問いかけ、タウンゼント氏は、「民主党が政権を握っても攻撃性が変わるわけではないが、ブッシュから変わることには価値がある。大統領選を前に、労組が反ブッシュで団結している」とこたえました。
タウンゼント氏がアメリカ独立に触れたことを受け、志位委員長は「アメリカ建国の精神と日本共産党のめざすものは一致している。それは独立だ。個人や団体とさまざまな交流、共同をすすめたい」と語りました。
上田耕一郎副委員長はニカラグア・サンディニスタ民族解放戦線党のアンテノール・ロサレス・ボラニョス国家銀行監査局党代表と懇談しました。
ボラニョス氏は、「大会が組織だっており、代議員が規律正しく、かつ熱をもって発言していることに、強い関心をもっている」と語りました。
ボラニョス氏は、ニカラグアの国内情勢について詳しく説明。サンディニスタ民族解放戦線党がキューバと友好関係にあり、イラク戦争にも強く反対したことを紹介。これに関連して米国からニカラグアに強い圧力がかけられたと強調。昨年十一月に米国のパウエル国務長官がニカラグアを訪問し、与党にたいし、野党であるサンディニスタ党と協力しないよう求めた経過を説明しました。
上田副委員長は、「ラテンアメリカで左翼勢力の前進が続いているが、アメリカの圧力はどう影響するか」と質問。ボラニョス氏は、「国際情勢では厳しくなるが、新自由主義のもとで国内では貧困問題が深刻化し、今年十一月のいっせい地方選挙では党の支持は広げられると思う」とのべました。