2004年1月14日(水)「しんぶん赤旗」
第二十三回党大会には、十四カ国の在日大使館から大使、外交官が出席し、大会を傍聴しました。出席者とその国の概況、日本共産党との関係などについて紹介します。(五十音順)
一九七五年ポルトガルから独立したアフリカ南西部の国。人口千三百五十万。二〇〇二年停戦合意により、内戦が終結。石油、天然ガスなどの資源をもつ非同盟国です。
反核平和運動などを通じて、わが党や民主団体との交流が発展しています。国連安保理理事国として、米英のイラク戦争容認の決議案に同意しませんでした。
ドス・サントス大統領は、二〇〇二年の原水爆禁止世界大会が各国政府に送った手紙に返書を寄せ、「核兵器、大量殺りく兵器の使用は人道を脅かすというあなた方の見解に賛成です」と表明しました。
オランダの植民地、日本の占領をへて、一九四五年に独立。人口二億一千五百万のうち九割がイスラムという世界最大のイスラム国。東南アジア諸国連合(ASEAN)発足時からの加盟国。
不破議長、志位委員長がメガワティ大統領訪日レセプションに出席。わが党代表は一昨年、同国を訪問し、外務省、非同盟センター、ASEAN事務局の幹部と懇談。一昨年、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(AALA)などが主催した非同盟シンポジウムに大使館代表が出席。昨年の原水爆禁止世界大会には、サキディン駐日公使が参加しました。
旧ソ連から、九一年に分離独立した共和国。クリミア半島と肥沃(ひよく)な黒土地帯をふくむ国土は日本の一・六倍の面積。人口四千九百万。チェルノブイリ原発事故を経験しており、独立当時から、非核を国是としています。ウクライナ議会は、「受け入れず、つくらず、保持しない」という非核三原則を盛り込んだ共和国主権宣言を採択しています。
二〇〇一年九月の米国同時多発テロの後、わが党代表は、テロやアフガン戦争問題についての党の書簡をコステンコ大使に届け、懇談。翌年七月には、志位委員長が同大使と懇談しました。その年の赤旗まつりには、大使館員が参加しました。
中米カリブ海の島国で、面積は日本の約半分、人口千百万。スペインの植民地から一九〇二年にアメリカの保護国になり、アメリカ支配が顕著でしたが、一九五九年に親米政権を打倒し、カストロ政権が誕生。困難を打破し今日まで続いています。
上田副委員長が一昨年訪問し、会談したほか、経済関係が緊密であったソ連・東欧の崩壊による困難とアメリカによる封鎖と干渉とのたたかいの状況を視察しました。
昨年二月、不破議長がエルナンデス大使と懇談、同年十月には志位委員長がキューバ共産党のカブレラ政治局員・国際部長と懇談しました。
インドシナ半島の中央部にあり、国土の面積は日本の一・四倍。人口六千三百万の王国。東南アジアで唯一欧米列強の植民地化を免れた国で、ASEAN原加盟国。国民の95%が仏教徒。
政権党であるタイ愛国党は、二〇〇二年に同国での第二回アジア政党国際会議に日本共産党を招待。わが党代表は発言し、タイの党や政府の幹部と交流しました。昨年六月、大使館が主催した「タイ一村一品展」に、わが党代表が出席しました。
タクシン首相は、二〇〇一年八月以来毎年、原水爆禁止世界大会にメッセージを寄せています。
人口十三億。国民一人あたりの国内総生産(GDP)が昨年一千ドルを超え、めざましい経済成長が続いています。
一九九八年に日本・中国両共産党の関係正常化以来、交流が活発化し、一昨年、不破議長が中国を訪問し、江沢民総書記(当時)と会談し、イラク戦争反対で一致しました。超党派の日中友好議員連盟には、志位委員長が副会長に就任。
昨年八月、李肇星外相が日本共産党本部を訪問し、不破議長、志位委員長と会談し、続いて、わが党代表が訪中し、北朝鮮をふくめ北東アジアの和平について意見交換。歴史問題などでも、学者・研究者との会議や交流もすすんでいます。
地中海に面する北アフリカに位置し、面積は日本の四割強、人口九百七十万。カルタゴを起源に、アラブ、スペイン、オスマン・トルコの支配をへて、フランスから一九五六年に独立。国民の98%がイスラム。アラブ連盟、アフリカ連合、イスラム諸国会議(OIC)、非同盟など国際機構に積極的に参加しています。
同大使館は、チュニジアにアラブ連盟本部がおかれた一九七九−八九年、アラブ諸国との交流の中心に。当時駐日大使のベンヤヒア外相は四年前、不破委員長と会談。昨年七月、政権党の立憲民主連合大会への招待を受け、不破議長が参加。昨年末、西欧と北アフリカ十カ国首脳会議を主催し、文明の対話などをおこないました。
パレスチナにあたる地中海東岸地域にあった古代ユダヤ王国がローマ軍により滅ぼされたのち、ユダヤ人は世界に離散。居住したアラブ人がパレスチナ人と呼ばれるようになりました。一九四八年にイスラエル建国、パレスチナ人が難民となるもとで、パレスチナ国家の建設の要求が高まり、長期のたたかいをへて、パレスチナ自治政府が樹立。現在、六十七カ国に大使館をもち、二十七カ国に外交的出先機関をもっています。
昨年九月、十年ぶりに、東京のパレスチナ常駐総代表部を開き、その開設の日に、大使(代表)とわが党代表は懇談しました。
黒海に面した東欧バルカンの国。面積は日本の半分、人口は七百九十万。一九四六年に成立した人民共和国の体制は、八九年に崩壊。今年中のNATO加盟をひかえ、イラクにも派兵しています。ヨーロッパ連合(EU)加盟が外交の最優先課題となっています。ブルガリア正教が国民の85%、13%がイスラムです。
ナショナルデー・レセプションにわが党代表が出席し、また、同国の国会議長来日にあたってのレセプションには、国会議員が参加しました。政治の意見交換だけでなく、文化までふくめた交流もあります。
インドシナ半島の東部に位置し、面積は日本の十分の九、人口八千万。フランス植民地支配から日本占領の時期も経て、一九四五年に独立。再支配をねらうフランス、さらに、アメリカに打ち勝ち、七六年、南北ベトナムの統一が実現しました。
ベトナムとの交流は、党、政府、大使館レベルでも、友好的におこなわれ、昨年は、不破議長や志位委員長がブー・ズン大使や国会副議長らと懇談しました。
日本共産党とベトナム共産党双方の大会への代表派遣、赤旗まつりとニャンザンまつりでの代表の相互交流が続いています。東京でのベトナム・フェスティバルには不破議長が参加しています。
南米大陸の北端に位置し、面積は日本の二・四倍。世界でも有力な産油国で、人口二千五百万。スペイン植民地から、シモン・ボリバールの指導のもとに、一八一一年に独立。国民の96%がカトリック。
二〇〇〇年に再選されたチャベス大統領は、イラク戦争に一貫して反対し、新自由主義など米国主導の政治を公然と批判。国内では、貧困対策、識字率向上など社会改革にとりくむなど、二十一世紀の中南米の新しい胎動を示す国の一つです。
来日した議会代表団とわが党国会議員との懇談がおこなわれ、また、大使館主催の文化行事に毎年招待されています。
インドシナ半島北部の内陸国。日本の本州よりもやや大きい国土に人口五百五十万。十九世紀末からフランスの植民地とされ、一九七五年のラオス人民民主共和国樹立で本格的な独立を達成。国民の多数は仏教徒。ラオスは、非同盟運動に一九六四年以来参加し、ASEANには九七年に加盟。
解放闘争の時期から交流はありましたが、ラオス人民革命党との現在の関係の出発点は、一九九七年当時の駐日大使と不破委員長との会談で、関係を確立して以後です。日本共産党の二十一回、二十二回大会には、大使が党代表として出席。一昨年には、わが党代表がラオスを訪問、レンサワット副首相らと会談しました。
地中海に面したアフリカ大陸の北部の中央に位置し、面積は日本の四・七倍。国土の90%以上が砂漠。人口五百五十万。一九五一年に王国として独立。六九年に現指導者、カダフィ大佐のもとで無血革命により共和制に移行。イスラムが国教であり、97%がスンニ派です。九九年には九二年から受けてきた国連安保理の制裁が停止され、国際社会への復帰が課題になっており、昨年十二月、最高指導者カダフィ大佐は大量破壊兵器開発計画を放棄すると表明しました。
前二十二回党大会にも、リビア人民事務所(大使館)から代表が傍聴出席しました。
一九九一年にかつてのソ連邦から構成十五共和国が分離し、今日のロシア連邦になりました。仏独とともにイラク戦争反対の立場を貫いたロシアは、外交舞台で「多極世界」を構築する必要性を強調、イスラムをふくめ新しい外交関係の構築など積極的な外交をおこなっています。
一九九七年、パノフ大使が党本部を訪問し、不破委員長、志位書記局長と懇談しました。ロシアのナショナルデー・レセプションや大使館の各種催しには、党三役をふくめ代表が出席しています。日本共産党第二十二回大会には、大使館員が傍聴・出席しました。