2004年1月13日(火)「しんぶん赤旗」
私鉄労働者でつくる、私鉄「連帯する会」(脇寺敏男代表世話人)は十日、東京都内で春闘討論集会を開きました。急増するパートや契約社員ら不安定雇用労働者も含めて職場の全労働者を視野に、賃上げと雇用拡充の運動を大いにすすめていこうと話し合いました。
私鉄の職場では、正規労働者を削減する一方、パート乗務員や、駅に中高年やガードマンを配置するなど大規模な人減らし「合理化」が進行。各「会」の労働者は、鉄道本来の安全輸送を守れ、労働条件を向上せよとたたかいを広げています。
西武の「会」は、始発前や終電後の作業、非番日の居残りなど駅職場にまん延しているサービス残業(ただ働き)根絶の運動を報告。組合本部や労働基準監督署に要請、労基署の調査で改善されました。会社は「仕事中にめしを食うな。たばこもダメ」と締め付けを強めていますが、「職場の声を集め、要求を前進させる」と話しました。
京福電鉄の「会」からは、会社の希望退職募集の面接に職場委員を同席させ、面接は一回限りとすることなどをかちとり、労働者の雇用を守ってきたと報告。長野電鉄の「会」も、「一人勤務の駅を午前七時前と午後九時すぎを無人化にする」との「合理化」提案を、地域住民との共同を追求し、運動をすすめているとのべました。
中小バスの職場では、「賃上げの原資にする」という理由でパート労働者を解雇する「合理化」提案に対し、「解雇を許すな」と全労働者によびかけ、はねかえすとりくみを強めていると発言しました。労組役員が日本共産党県議団と連携して県議会でとりあげ、補助金削減にストップをかけた経験を紹介。団体交渉で会社側が感謝の弁をのべたと紹介しました。
阪急の「会」は、全職場に常態化している人手不足解消の問題を春闘アンケートでとりあげたところ、四人に三人が「正社員の採用」が必要と答え、「臨時でも青年の雇用」をとの回答を含めると、実に98・5%が要求していると指摘。安全を軽視し、高齢の臨時従業員を乗務させるのではなく、新卒社員の採用を継続して技術を伝承し、アルバイトの賃金底上げをかちとる提案も示し、すべての労働者と対話をすすめると表明しました。