2004年10月13日(水)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の高橋千鶴子衆院議員(農水委員)は十一日、佐賀県入りし連続して台風被害を受けた厳木町(きゅうらぎまち)の中山間地を訪ね、稲作の状況などを調査しました。これには、日本共産党の志佐治徳町議らが参加しました。現地の田んぼでは、ほとんどの稲が倒れ、台風通過後の長雨で水がたまり、倒れた稲穂からはすでに発芽しているのが見られました。
現地で説明した農業者からは「収穫の数量は平年作の半分です。田んぼがぬかるみ、コンバインを入れて機械で刈り取れない。収穫作業は手作業で遅れ、被害が拡大している」と深刻な状況が語られました。
高橋議員は、「全国的な台風被害の実態をつかみ、国の早急な支援を求めていきたい。農業共済で作況指数という数量でしか被害をはからないことも見直すべきで、品質低下での被害の救済をはかるよう要請していきたい」と話しました。視察に先立ち、同町役場で歓迎を受け、田久保好範町長らと懇談しました。
台風22号による竜巻のような強風と豪雨で屋根が吹き飛び、土石流や浸水などで、わかっているだけでも百数十軒が全半壊した静岡県伊東市の宇佐美、新井、川奈地区など―。静岡県内で最も深刻な被害を受けた地域の一つです。
日本共産党静岡県委員会の平賀高成国政事務所長・元衆院議員は十一日、被災直後からバイクを走らせて救援にあたっている佐藤美音伊東市議とともに、被災した家々を訪ね、豪雨災害救済対策の諸制度を紹介した資料を手渡しながら現地調査しました。
井山修一さん宅(53)は、四方の窓や玄関のガラスが割れ、瓦がはがれ落ち、二階には雨水がたまったまま。竜巻状の風で飛ばされた近所の家の瓦や近くの春日神社の大きな木が壁を突き破って飛んできただけでなく、強風で一階の大きなタンスが揺れ動き、家の中は家具やごみでグチャグチャになりました。井山さんは「家を壊すにもお金がかかるし、どうやって直したらいいのか」と肩を落としていました。
「今も震えがとまらず食べ物がうまくのどを通りません。精神的にもう耐えられない」と、ショックの大きさと先行きの見えない不安な日々を過ごす胸中を語るのは荒木勝枝さん(63)。「水道も電気も全部ダメになり、冷蔵庫の中の腐っていないものをなんとか食べています。心細かったとき、勤務先の人がおにぎりをもってきてくれて人のありがたさが身にしみました」と話しました。
調査を進める中で、被害の甚大さに加え、市の初動態勢の遅れから、住む場所の確保をはじめ、断水や停電の復旧にめどが立っていない家も多く、夜は、ロウソクや懐中電灯を頼りに過ごし、わずかな食料で不自由な生活を強いられていることがわかりました。
連休明けの十二日、伊東市は宇佐美地区を中心に市職員と消防団員を大幅に増員して復旧を急ピッチで進めることを決めました。
台風22号による静岡県伊豆市内の被害地を回り救援活動をしている日本共産党伊豆市議団(三人)は十一日、旅館やホテルの集まる伊豆市修善寺温泉を訪れ、木村建一、小川一弥両市議が修善寺温泉の中心部を流れる桂川による浸水被害の状況を視察しました。
伊豆市では、山が崩れて家が破損し生活できない世帯や、がけ崩れなどの二次災害の危険のある地域が随所に残されており、党市議が見舞い、土砂の撤去などの救援に加わりました。
修善寺温泉の代表的な温泉である「独鈷(とっこ)の湯」では、桂川の中にあるあずまやが流失し、湯船のみが残りました。
木村市議は十二日、伊豆市に対し、この間の視察・救援活動で明らかになった問題として、家屋の破損で生活できない人の住居が確保されていないこと、ガレキ・土砂の撤去作業などが住民まかせになっていることなどをあげ、一刻も早く対応するよう強く求めました。