2023年12月7日(木)
きょうの潮流
結果は最悪のものとなりました。鹿児島・屋久島沖のCV22オスプレイ墜落事故。発生から6日あまりたった5日、米軍は乗組員8人全員の死亡を判断しました▼開発当初から墜落・死亡事故が相次ぎ、米国防総省の専門家からも「構造的欠陥機」とされてきたオスプレイ。2012年に日本配備が開始されて以降、在日米軍所属機の墜落は、これで3機目です。徹底した原因究明と飛行停止は、日本政府がとるべき最低限の要求でしょう▼ところが政府は、一度たりとも、飛行停止も原因究明も要求せず「安全に飛行してください」と懇願するばかり。重要な物証である残骸は日米地位協定に基づき、さっさと米側に引き渡してしまいました。米国防総省は「日本から公式の飛行停止要請は受けていない」と公言し、オスプレイは今日も日本の空を飛んでいます▼政府がここまで卑屈になってしまう要因は「抑止力」論の呪縛です。在日米軍の「抑止力」強化のためなら、どんな横暴な訓練も容認されるという考えに縛られているのです▼「日米同盟は重要だが、言うべきことは言う」という、主権国家としての最低限の矜持(きょうじ)が、岸田政権の下で失われています。そもそも、これだけ事故を起こすオスプレイの、どこが「抑止力」なのでしょうか▼オスプレイの飛行停止を言えないのも、イスラエルによるパレスチナ・ガザ攻撃の停止を言えないのも、根源にあるのは「アメリカ言いなり」政治です。いまこそ、その転換が求められるときです。