2023年12月5日(火)
オスプレイ残骸引き渡し
米側に 地位協定が原因究明阻む
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鹿児島県・屋久島沖の米空軍CV22オスプレイの墜落事故で、第10管区海上保安本部(鹿児島市)は3日、米軍の特権を定めた日米地位協定の合意議事録を根拠に、回収した残骸を米側に引き渡しました。また、漁師らが回収したオスプレイの残骸も九州防衛局の要請を受けた屋久島町を通じて米側に引き渡されました。重要な物証が米側に渡ったため、日本側による原因究明の道が事実上閉ざされました。
米軍の事件・事故をめぐる刑事裁判権について定めた地位協定第17条の10項に関する合意議事録は「(日本側は)合衆国軍隊の財産について、捜索、差押え又は検証を行う権利を行使しない」としています。機体の残骸は「財産」とみなされます。米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のMV22オスプレイ1機が2016年12月に同県名護市安部(あぶ)の浅瀬に墜落した際も現場には規制線が張られ、米軍が残骸を持ち去ったため、日本側による原因究明はできませんでした。