2023年12月5日(火)
COP28inドバイ
日本に「化石賞」
石炭火力継続方針を批判
アラブ首長国連邦で開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で3日、今会議初めてとなる「化石賞」を日本が受賞しました。同賞は、環境NGOの国際ネットワーク「CANインターナショナル」が、気候変動対策に後ろ向きの国に与えます。ほかに受賞したのはニュージーランドと米国。
日本の授賞理由は、岸田文雄首相が1日の首脳級会合で行った演説で「世界の脱炭素に貢献する」とアピールしながら、石炭火力発電所でアンモニアを混焼する方針を掲げ、石炭火力継続を宣言したためです。
CANは、アンモニア混焼方針は実質的な温室効果ガスの排出削減につながらないどころか、日本の脱炭素化の可能性をつぶすとして、環境にやさしいとみせかける「グリーンウォッシュだ」と批判しています。
さらに岸田首相が、アンモニア混焼を東南アジア諸国に売り込む「アジアゼロエミッション共同体」を拡大する意向を明らかにしたことも、東南アジアの国々の再生可能エネルギーへの移行を遅らせると指摘しています。
ニュージーランドについては、新政権が先住民の意向を無視して海域での石油やガスの探査再開の計画を発表したことを批判。米国については、歴史的に最大の温室効果ガス排出国なのに、気候変動による「損失と被害」を支援する基金への拠出が1750万ドル(約26億円)で、イスラエルやウクライナへの軍事支援と比べてわずかだとして「偽善の極みだ」と批判しました。