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2023年1月29日(日)

主張

2023年国民春闘

生活擁護・軍拡反対の声広げ

 コロナ禍で深く傷ついた暮らしに追い打ちをかける物価上昇が止まらないなか、2023年の国民春闘が取り組まれています。生活を守るため、物価高を上回る大幅な賃上げを必ず実現しなくてはなりません。岸田文雄政権が打ち出した空前の大軍拡に対し「戦争国家づくりを許すな」と世論、運動を広げることも緊急の課題です。平和の課題は戦後日本の労働組合運動の原点です。

経済立て直しのためにも

 22年12月の全国消費者物価指数は、前年同月比4%の上昇で、第2次石油危機の影響が残る1981年12月以来、41年ぶりの大幅な伸びでした。実質賃金は8カ月連続で前年を下回っています。

 問題は、世界的な物価高騰など外的要因だけではありません。日本の賃金は、財界による賃金抑制政策と、労働法制の連続的な規制緩和による非正規労働者の拡大で、四半世紀にわたり、下がり続けてきました。平均賃金は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の比較可能な34カ国中24位という低水準です。

 「国際競争力」を名目に賃金が抑制され、内需が低迷しました。企業の海外移転は産業の空洞化を引き起こし、国内のリストラをさらに誘発しました。「賃金が上がらない国」日本は「成長しない国」にもなってしまいました。

 賃金の大幅な引き上げと底上げは、深刻な物価高騰から生活を守るためだけでなく、日本経済を立て直す上でも不可欠です。

 全労連・国民春闘共闘委員会は「誰でもどこでも時給1500円以上、月22万5000円以上の産業・企業内賃金の実現」をめざし、「月3万円以上、時給190円以上」の賃上げを要求しています。雇用形態や男女の格差の根絶、均等待遇も求めています。

 経団連の23年の春闘方針である経営労働政策特別委員会報告は「『物価上昇への対応』が社会的に求められていることは、経団連も十分認識」していると言いながら、物価高をカバーできない連合の賃上げ要求についてさえ「慎重な検討が望まれる」として低く抑え込もうとしています。各社の実情に応じた検討が「大原則」として、賃上げに背を向けています。

 大企業の内部留保は500兆円を超えています。法人税減税や賃上げ抑制でため込んだ内部留保を今こそ賃上げに活用しなければなりません。

 岸田政権は「構造的賃上げ」と言いますが、財界に“お願い”するだけです。実現を図る具体策はありません。大企業の内部留保に時限的に課税し、大企業も中小企業も賃上げを促進できる政策を実施することこそ、政治の責任です。最低賃金を全国どこでも時給1500円以上に引き上げることも欠かせません。

政治を動かすたたかいを

 イギリス、ドイツをはじめ欧州で賃上げを求め労働組合がストライキに立ち上がっています。米国ではIT大手のアマゾンで労組が結成されるなど若者が声を上げています。世界の労働者とともに取り組みを広げましょう。

 軍事優先の政治は暮らしを壊します。岸田政権のたくらむ敵基地攻撃能力の保有や、5年間で総額43兆円の大軍拡は戦後の日本の歩みを逆転させる暴挙です。生活と平和を守るたたかいが急務です。


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