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2023年1月29日(日)

飲む中絶薬 承認持ち越し

厚労省部会承認も パブコメ実施へ

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は27日、国内初となる人工妊娠中絶のための飲み薬について薬事承認を了承しました。ただ、同省は「社会的関心が高く、慎重な審議が必要」だとし、2月に意見公募(パブリックコメント)をした上で、上部組織の薬事分科会で再審議するとしました。正式な承認を持ち越した形です。

 審議が分科会に及ぶのは異例。同省によると、分科会の審議は早くとも3月の見通しです。薬の安全性・有効性については、27日の部会で「特に大きな指摘はなかった」と説明しました。

 中絶薬は80カ国以上で使用されており、世界保健機関(WHO)が安全な手法として推奨。国連が基本的人権と位置づける「安全な中絶」を受ける権利を保障するうえで重要な役割を果たしています。

 日本では初期中絶の場合、WHOが「安全性に劣る時代遅れの中絶法」とする掻爬(そうは)法による手術が今も主流。より身体への負担が少なく、安全な中絶薬の実用化を求める声が高まっています。中絶薬が正式承認されれば、リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の保障へ重要な一歩となります。

 厚労省は、投与は母体保護法の指定医の確認の下で行い、中期中絶の薬と「同等の厳格さ」で流通や使用状況を管理する方針。パブコメでは承認可否に加え、こうした管理方法についても意見を募る考えです。


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