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2022年1月16日(日)

きょうの潮流

 本紙日曜版で連載を執筆した漫画家・山本おさむさんの代表作に、沖縄県を舞台に、ろう学校に通う聴覚障害の生徒が甲子園出場を目指す「遥(はる)かなる甲子園」があります▼そのモデルになったのが、かつて存在していた「北城ろう学校」です。米軍占領下の1964年、沖縄で風疹が大流行し、多くの聴覚障害児が生まれました。当時、米国で風疹が大流行し、沖縄に送られてきた米兵から感染が広がったとされています▼時を経て、いま再び「米軍由来」の感染症が県民のいのちを脅かしています。昨年末、米軍キャンプ・ハンセンで発生した新型コロナウイルスのクラスターが県内に異次元の感染爆発を引き起こし、医療崩壊の危機や、観光・飲食業などの苦境をもたらしています▼そうした中で、きょう告示される名護市長選。辺野古新基地を造らせないと訴える「オール沖縄」の岸本ようへい候補は、「国や米軍に言うべきことははっきり言い、改善させる」と力をこめています▼これに対して、現職市長はどうか。米軍の外出禁止も日米地位協定改定も政府に言いません。いまだにPCR検査の相談窓口を市につくっておらず、基本的な対策さえおろそかです。その理由は明らかです。辺野古新基地について「国と県の係争を注視する」と中立を装っていながら、本音は日米両政府に従順な、筋金入りの新基地推進派だからです▼基地から派生する事件・事故・爆音を含め、県民・市民のいのちを守るための選択の時が、いま迫っています。


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