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2022年1月11日(火)

きょうの潮流

 「中学生日記」といえば、懐かしく思い起こす人も多いでしょう。NHK名古屋放送局が、50年にわたって制作し続けたテレビドラマ。2012年に終了しました▼取材をもとにした脚本、地元の中学生が出演するドキュメンタリータッチの作風が支持されました。名古屋局が作るドラマはオリジナルが多い。企業のあるべき姿を探る「監査法人」(08年)、戦争を題材にした「15歳の志願兵」(10年)等が並びます▼ここに来て、NHK名古屋のドラマ制作部門をなくす動きが急速です。NHKは「東京に統合する」といいますが、東京、大阪に次ぐドラマ作りの拠点だった名古屋を撤退させるというわけです▼「スリムで強靱(きょうじん)な」NHKを目指す「経営計画」の具体策。ニュース・政治報道は政権寄りと厳しく批判されてきました。しかし、良質な番組の数々には定評が。それも豊かな制作体制があってのことです。制作環境はスリムに、政府広報は強靱にというのではたまったものではありません▼年末放送のBS番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、不適切な字幕があったことを、制作したNHK大阪が9日に謝罪しました。番組に登場した男性が、金銭をもらって五輪反対デモに参加と字幕を付けましたが、実際に参加したかどうかを確認していませんでした▼五輪に反対する世論やデモへの中傷という安易な制作意図ものぞきます。「スリム」化を理由に、大阪局は報道部門と制作部門を合体。経営計画が示す危うい方向への監視が必要です。


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