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2020年10月5日(月)

安倍政治転換から未来社会論まで

姜尚中氏と小池晃書記局長対談

地方紙で

 政治学者の姜尚中(カン・サンジュン)東大名誉教授がマックス・ウェーバー(ドイツの社会学者・経済学者、1864~1920)の著書『職業としての政治』をテーマに与野党の政治家・首長と対談する共同通信のシリーズ「政治の器量」にこのほど、日本共産党の小池晃書記局長が登場しました。小池氏は安倍政治転換の方向から、「共産党」の名前に託された未来社会の展望まで縦横に語りました。

 小池氏は、ウェーバーの『職業としての政治』について、「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくりぬいていく作業」という一文など、あらためてうなずけるところがあったと述べました。そして、「ウェーバーはマルクスに批判的という単純な理解もある」との姜氏の指摘に、「ウェーバーがマルクスを熱心に研究していて『共産党宣言』を『第一級の学問的業績』と評価している」と指摘。議会を通じた「多数者革命」という日本共産党の路線を紹介し、「ウェーバーが今の私たちを見れば、共産主義への認識も変わったのでは」と語りました。

 さらに姜氏が「議会で多数派となるには、数が究極的な問題」と述べたのに対して、小池氏は民主主義で多数決は避けがたいとしつつ、「安倍政権のように選挙に勝って多数を取れば、後は何をやってもいい、となると独裁になる」と指摘。安倍政治の下で、極右台頭の危険性がある一方、共産党も含めた「市民と野党が共闘して新たな社会を目指す方向」があるとして、「この二つの流れのせめぎ合い」で「どちらに進むのかを、今のコロナ禍は問うている」と述べました。

 また、官僚と政治の関係について小池氏は、安倍政権の下での公文書の改ざん・ねつ造などは「ウェーバーも想像しなかったのではないか」と語り、「政治による官僚機構の破壊」だと批判しました。姜氏がこれまでの政治改革・行政改革に「問題があったのでは」と問うと、小池氏は「官僚政治の弊害はあった」が「高度な専門性による統治で守られた国民の利益もあった」と述べ、「今は、一握りの勢力の利益のために権力を乱用し、(官僚機構の)良き部分を破壊してしまっ」たと答えました。

 小池氏は、姜氏の「『コミュニストパーティー』を、なぜ『共産党』と訳したのか。『共生党』でもいいのでは」との問いには、「私たちが描く未来社会の根本は、生産手段の社会化。“共産党”という名は、それを一番表現している」と語りました。

 対談は全国の地方紙に掲載されました。


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