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2020年9月5日(土)

安倍政権追い詰めた7年8カ月(4)

「消費税減税」の世論

写真

(写真)消費税の5%への減税を訴え宣伝する、消費税をなくす会の人たち=6月24日、東京・巣鴨駅前

 安倍晋三政権は発足当初から消費税増税を税制の柱としてきました。2014年4月、安倍政権が8%への消費税率引き上げを強行すると消費は急減。深刻な景気悪化に陥りました。同年4~6月期の国内総生産(GDP)は前期比年率7・5%減と記録的な落ち込みとなります。

 増税当初、安倍政権は景気悪化は一時的なものだと強弁していました。14年10月8日の参院予算委員会では日本共産党の大門実紀史議員の質問に「消費税(増税による景気への悪影響は)はワンショット(1回限り)だ」と答弁しています。

 しかし個人消費の低迷は続き、19年4~6月期まで増税前となる13年10~12月期の個人消費額の水準を超えることはできませんでした。

共通政策に

 15年10月に予定されていた10%への消費税増税は国民の強い抵抗にさらされました。政府が14年11月に開いた増税の是非を有識者に聴取する消費税点検会合では内閣官房参与までもが増税の延期を主張、増税の中止を求める出席者もいました。安倍首相は増税予定日を17年4月、19年10月と2度にわたって延期せざるを得ませんでした。

 税理士で立正大学客員教授の浦野広明さんは「昨年の参院選では『10%への消費税引き上げ中止』が市民と野党の共通政策の一つに入りました。日本共産党の主張が世論を背景に広がってきました」と指摘します。

 19年10月の消費税増税強行もウソとゴマカシのなかで押し切られたものでした。当時の経済状況は増税に耐えられるものではありませんでした。

 長引く消費低迷に加え、米中貿易摩擦が深刻さを増し、内外需ともに悪化していたからです。18年秋ごろからエコノミストの間では「すでに景気後退期に入っているのでは」などの指摘が出始めていました。景気の「山」「谷」を決める政府の景気動向指数研究会は、この7月の会合で18年10月を暫定的に景気の「山」と判定しています。

偽りの判断

 18年秋以降、すでに景気が下り坂に入っていたにもかかわらず政府は20年2月まで月例経済報告の基調判断で「回復」の表現を維持し、国民をだまし続けました。その偽りの景気「回復」の判断で10%への増税を強行したのです。

 経団連が強く求めてきた税率19%もの消費税大増税は世論の力で阻止し続けています。新型コロナ感染拡大を受けて、停滞した経済打開のために消費税減税を求める声は広がっています。立憲民主党の枝野幸男代表も消費税減税に言及しています。世論を受けて自民党内でも動きが起きています。浦野さんは「市民と野党の共闘をさらに広げて、国民の暮らしを守る取り組みと一体に、消費税減税、応能負担の税制を求める運動が期待されます」と話します。(つづく)


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