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2020年9月2日(水)

安倍政権追い詰めた7年8カ月(2)

PCR拡大へ一歩

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(写真)西村康稔経済再生担当相(右)に申し入れる、志位和夫委員長(中央)と田村智子政策委員長=7月28日、内閣府

 安倍政権が新型コロナウイルス感染症への対応で有効な対策を打てず迷走を続ける中、感染拡大抑止に不可欠なPCR検査の積極的拡大へと、野党と国民の要求で一歩一歩前進させてきました。

コロナ対策

 コロナ対策の最も重要な点は、感染ケースの4割を占める無症状感染者からの感染をいかに防ぐかです。検査数を増やし、感染者を見つけ出し、保護、隔離、治療をできなければ、無症状感染者が感染リンクをつなげ、感染がくすぶり続け、社会・経済活動の再開とともに感染拡大が再燃します。

 日本共産党の志位和夫委員長は7月28日、安倍晋三首相にPCR検査を大規模に拡大するよう緊急申し入れをしました。日本医師会の有識者会議や超党派の「医師国会議員の会」も、政府に対し感染震源地のPCR検査の拡充をそれぞれ提言しました。

 これらを受けて、厚労省は8月7日の「事務連絡」で、点でとらえていた検査対象を面でとらえる方向を打ち出し、同月18日には「新型コロナウイルス感染症に係る行政検査に関するQ&A」で感染リスクの高い施設での定期的検査につながる方向を示しました。安倍首相が辞任表明会見(同月28日)で触れた政府の「対策方針」では、それまで自治体と施設の判断としていた方針から政府として「実施を要請する」と一歩踏み込みました。

迷走の原因

 安倍政権がコロナ対応で迷走する大きな原因の一つは、新自由主義との決別ができないためです。

 小原隆治早稲田大学教授(政治学)は「本来新自由主義的傾向の強いイギリスのボリス・ジョンソン首相はコロナに対して、自己責任ではなく国家が雇用を確保し、所得を補償する政策をとっています。それと比較すると安倍政権には、新自由主義への反省がありません」と指摘します。

 安倍政権は、さまざまな自粛要請を効果的に行うための感染対策として国民や野党が求めた「自粛と一体の補償」に、一貫して背を向けました。

 また、各地で感染症対策の中核的な役割を果たしている公立・公的病院に再編・統合を迫る424病院のリストの撤回を拒否。7月17日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太の方針)は、これまでの方針を引き継いで、医療・介護の自己負担増や病床削減、公立・公的病院の統廃合を進めるとしています。

 小原氏は「安倍政権の閣僚は、自分たちが悪いことをやってきたとは思っていません。選挙で惨敗することで責任をとってもらうしかありません」と語ります。(つづく)


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