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2020年8月15日(土)

きょうの潮流

 「くらやみの空に、死んだ人たちの どうしようもないくやしさがただよっていた。かけがえのない人を うばわれた悲しみが 涙になってふっていた」▼今年6月、89歳で亡くなった絵本作家の田畑精一さん。軍国少年だった自身の体験を『さくら』と題する絵本に描いています。そこには日本の被害にふれながらこんな思いも。「戦争はおわった。おおぜいの人が死んだ。それより、もっともっと おおぜいの人を、ぼくたちの国は ころした」▼子どもの本・九条の会の呼びかけ人だった田畑さんは、日中韓の平和絵本の刊行にも尽くしました。3カ国の絵本作家たちが協力してつくるシリーズは歴史をみつめあい、互いをわかりあう大切さを子どもたちに届けました▼終戦の8月15日。韓国では光復節と呼びます。日本に植民地支配や侵略された国ぐににとって、それは暗黒から光が戻った喜びの日でもありました▼戦後から75年。いまだにナチスの戦争犯罪を裁き続けるドイツでは大統領が訴えています。「解放の過程に終わりはなく、私たちはみずからを解放しなければならない」。いま世界をみれば、コロナ危機のなかで過去の過ちや体制を見直し、新たな社会を模索する動きが大きく▼平和絵本にある『へいわってどんなこと?』(浜田桂子)は、今と未来にむけて呼びかけます。「へいわって ぼくがうまれてよかったっていうこと。きみがうまれてよかったっていうこと。そしてね、きみとぼくは ともだちになれるっていうこと」


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