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2020年7月23日(木)

破綻GoTo 発進

事業者未定 割引も不明 制度は三転

 旅行需要喚起で実施する「Go To トラベル」事業が、割引対象となる旅行業や宿泊施設などが決まらないまま、22日から実施されました。割引事業の実施の日に、登録事業者が定まっていないというありえない事態です。すでに予約をしている利用者は、割引を受けられるかどうか不明のままで利用を迫られる状況にあり、困惑と不満の声が広がっています。


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(写真)「Go To トラベル」キャンペーンの初日、伊丹空港の出発ロビーをスーツケースを引きながら歩く人々=22日午前、大阪府豊中市

 同事業では、もともと8月上旬からの実施予定を政府は突然22日からの実施に前倒し。しかし、新型コロナウイルスの感染急拡大の流れの中で疑問と批判の声が起こり、16日になって全国一律実施の方針を「東京発着を対象から除外」に変更。そのため発生するキャンセル料について、補償しないとしたのを一転「補償」に変更するなど、混迷を繰り返しました。そのうえ、利用者が割引を受けられるか不明のままでの事業実施という、根本的矛盾を抱えたスタートとなっています。

 観光庁は実施開始を翌日に控えた21日、参加する旅行会社や宿泊業者に向け初めて説明会を開き、資料を公表。給付対象となる事業者(旅行業者や宿泊業者など)を、日本旅行業協会やJTBなど旅行関係7団体でつくる同事業事務局が指定することになっており、「指定を受けた場合に限り、給付が可能」と明記されています。ところが、事業者が指定をうけるための登録については「7月27日」からとなっており、実施の22日には登録がされないという構造です。旅行者が利用した業者が、27日以降に対象とならなかったと判明すれば、旅行料金の全額を旅行者が支払うことになります。

 また赤羽一嘉国土交通相は、同事業の実施にあたって、「若者の団体旅行、重症化しやすい高齢者の団体旅行」を「控えていただく」と述べました(17日の会見)が、人数や線引きは業者任せで混乱を招いています。菅義偉官房長官は22日の会見で、60歳以上、20歳以下など「目安」を示しましたが、あいまいなままです。


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