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2020年4月27日(月)

NHK「日曜討論」 田村政策委員長の発言

 日本共産党の田村智子政策委員長が26日のNHK「日曜討論」で、新型コロナウイルス対策をめぐり、27日から国会審議の始まる補正予算案や、同案で不足する医療体制の整備、暮らしと経済を守る対策について、各党の政策責任者と議論しました。

医療の現場  

 田村氏はまず、「どこで感染したかわからないという市中感染が止まらない。入院にたどりつけず亡くなる方まで出てきている。医療崩壊が始まっていると認識するべきだ。PCR検査の体制を強化し、抜本的に大規模な検査数ができる手だてを国が責任をもって行わないといけない。医療の現場も疲弊している。支援が急がれる」と指摘しました。

 医療現場の課題について、田村氏は、医療関係者からの「(感染患者を)受け入れれば受け入れるほど大きな赤字になっていく」という声を紹介し、人員増や感染対策で経費がかかる一方で、ベッドを減らし、コロナ感染以外の患者の受け入れができなくなるなど、「病院としては大幅な減収になる。資金ショートして倒産しかねないという声が起きている」と指摘しました。

 そのうえで、田村氏は「補正予算案では、PCR検査、医療の体制、軽症者受け入れなど、医療関連全部合わせて1490億円です。桁が1桁違う。数兆円規模で至急、医療機関にお金を出さなかったら本当に医療崩壊してしまう」と強調しました。

 立憲民主党の逢坂誠二政調会長も「1490億円では全く桁が違う」と批判。国民民主党の泉健太政調会長は、自治体負担が同規模で発生するとして「全額国費にして(予算額は)1兆円にするべきだ。医療機関の経営支援だけで5000億円の積み増しが必要だ」と述べました。

 自民党の岸田文雄政調会長は「補正予算案にも医療対策予算がたくさん盛り込まれている」と強弁。公明党の石田祝稔政調会長は、予算が足りなければ補正予算案に盛り込まれた1・5兆円の予備費で対応する考えを示しました。

PCR検査  

 検査体制の課題について、田村氏は、PCR検査を帰国者・接触者相談センターを通して行うやり方では間に合わないと批判。「電話でかかりつけ医に相談し、医師の指示で検査センターに行く。検査センターでしっかり防護して問診もする。検体採取も大規模に効率的に行う。こういう体制にしていかなければ、十分な検査はできない」と強調しました。

 自民・岸田氏は、東京都医師会がPCRセンターという体制をつくって検査を進めていることやドライブスルー方式を採用する自治体の動きをあげ、「こうしたさまざまな動きを後押しする」と述べました。これに対し、田村氏は「検査のやり方の大転換を、自治体任せではなく、国が方針を持って、お金もつけて今すぐ進めていくことが必要だ」と主張しました。

所得・休業補償

 暮らしと経済を守る対策について、田村氏は「政府が世論に押され、全ての日本在住者に10万円の給付が決まったことは歓迎する。今後も、暮らしを守るために必要な対策、国民の要求を政府に伝えていく」と表明。政府が外出や営業の自粛を求める以上、自治体の協力金・支援金任せではなく、国の責任で収入・所得の8割を補償するよう強く求めました。雇用調整助成金の上限額の引き上げや迅速な支給、中小企業への融資の迅速化も求めました。

 立民・逢坂氏は「1回・10万円では足りない。個別の生活や家計の状況に応じて追加支給も考えるべきだ」と強調。国民・泉氏は、自治体が協力金の原資とする地方創生臨時交付金を5兆円に増額するべきだと述べました。

 また、外出や営業の自粛で打撃を受けている中小企業への支援策・持続化給付金が議論になりました。田村氏は、「売り上げ5割減」の要件について「線引きをやめ、影響を受けている事業者は全て対象にするべきだ」と主張。家賃支援も喫緊の課題だとし、「家賃『補助』の言葉は岸田さんからも出ていた。事業者はもう資金繰りに困っている」と述べ、実現に向けた与野党協議の加速を求めました。

 国民・泉氏も持続化給付金の要件緩和と支給上限額(200万円)の引き上げを求め、家賃支援の協議加速を要請。立民・逢坂氏は「持続化給付金に家賃支援も含まれるならば、一定期間ごとに、複数回の支給も考えなければならない。1回限りでは不十分だ」と強調しました。自民・岸田氏は「家賃を含め固定費の支援は大事だ」としつつ、「持続化給付金にもその考え方が盛り込まれている」「現実的な制度設計を政府・与党で調整したい」と述べるにとどまりました。

社会のあり方 

 最後に、田村氏は「医療だけでなく介護や障害者の施設も減収しており、社会保障の基盤が崩れかねない事態になっている。非正規雇用の労働者の雇い止め、派遣切りもすでに始まっている。社会保障を抑制し、不安定な働き方を広げてきた社会のあり方を含めて議論する必要がある」と強調しました。


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