2004年1月8日(木)「しんぶん赤旗」
公明党常任顧問で同党実力者とされる藤井富雄東京都議(79)がコンサルタント会社から業務受注の口利きを依頼され、ゼネコンや都庁幹部に紹介していたことが関係者の証言や資料で七日までにわかりました。この会社は、藤井氏の秘書である長男に「顧問料」を支払っており、国会議員や元閣僚秘書などとも深い関係を持っています。
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口利きを依頼していたのは、中央建鉄(東京・新宿区)。公共工事などの周辺被害にかんし、事前調査や補償額算定をおこなう補償コンサルタントの大手で、公共工事の元請けゼネコンや都などから業務を受注しています。
本紙に証言したのは藤井氏に直接、口利きを依頼した同社元役員の一人。
証言によると、元役員は一九九七年から九九年ごろ都公共工事にかかわる業務を受注するため、藤井氏や同氏の政治団体「新友会」事務長にゼネコンや都庁幹部への紹介を依頼しました。
藤井氏は元役員の目の前でみずからゼネコン幹部や都庁幹部に電話し、「いつもお世話になっている後援者」「よろしく頼む」などと紹介した、といいます。
また、藤井氏は自分の名刺に紹介の言葉を書いて元役員らに渡したこともありました。本紙が入手した名刺の一枚には「東京都議会議員 藤井富雄」の名前とともに藤井氏の手書きで「○○所長殿 中央建鉄(株)の○○社長をご紹介致します。宜しくお願いいたします」と書かれ、「藤井」の印も押されていました。これらの口利きを得て、「相当の受注ができた」と元役員は語ります。
一方、同社は社内で藤井氏の選挙応援を呼びかけたほか、長男の藤井練和氏に毎月「顧問料」を支払っていました。本紙が入手した同社内部の経理資料には、藤井氏の長男に「顧問料」として月二万円で年間二十四万円を支払っていることが記載されています。
元役員は「藤井氏の長男に中央建鉄が顧問料を払う必要はない。長男は『東京都議会議員 藤井富雄秘書』の名刺を持っており、顧問料は藤井氏へのお礼と思っていた」と語っています。
本紙の取材に、中央建鉄は「関係者にご迷惑がかかるので、コメントはさしひかえたい」とし、藤井都議には昨年十二月二十五日以来重ねて回答を求めましたが、返事はありませんでした。