2004年1月6日(火)「しんぶん赤旗」
「国立病院の賃金職員の首切りは許さない」と仕事始めの五日、約二百人の労働者が厚生労働省前に午前十時から座り込みました。主催したのは、全労連の「国立病院職員の雇い止め阻止」闘争本部です。
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熊谷金道本部長(全労連議長)はあいさつで、「国の都合で劣悪な労働条件を押しつけられ、五年、十年と国立病院を支えて働いてきた労働者を、こともあろうに雇用に責任を負う厚労省が“首”にする、そんな理不尽なことは絶対に許せない。安心・安全の地域医療を守るためにも、このたたかいに全力をあげる」と訴えました。
全日本国立医療労働組合(全医労)の保木井秀雄委員長が闘争報告をし、「賃金職員問題の解決なくして、独立行政法人への円滑な移行は不可能。厚労省は、雇用と賃金水準を当面維持して移行したうえで、四月以降新たな労使関係のもとで、話し合いによる解決をするべきだ」とのべました。
賃金職員も次々にマイクを握り訴えました。
冷たい風のなか、毛布をひざにかけて座り込んでいた国立療養所天竜病院(静岡県)で十八年間看護助手として働いてきた鈴木みつ子さん(52)は、「夫は肺の病気で在宅酸素療法をしています。手取りで月八、九万円、半分以下の賃金になるパートでは、とても生活していけません。お正月も喜ぶことができません」と話していました。
日本共産党の井上美代参院議員が激励のあいさつをしました。
全国の百五十四の国立病院が四月一日から独立行政法人に移行するのにともない、国は、国立病院を支えてきた「賃金職員」(定員外非常勤職員)約六千人を全員雇い止めし、夜勤のできる看護師は正職員にするものの、それ以外は、一日六時間のパートになるか、業務委託すると迫っています。