日本共産党

2004年1月6日(火)「しんぶん赤旗」

大阪高裁 住友電工の差別訴訟和解

女性を管理職に昇格


 住友電気工業(本社・大阪市)の女性社員二人が、同期同学歴の男性と比べて賃金や昇進で著しい差別を受けたとして同社と国を相手取り、差額賃金など総額一億五千万円の支払いを求めた訴訟は五日までに、同社が二人の女性を昇格させ、それぞれに五百万円の解決金を支払うなどの内容で大阪高裁(井垣敏生裁判長)で和解が成立しました。提訴から八年。同日記者会見した原告らは「国際的な流れをふまえ、一審の不当判決をくつがえす画期的なもの」と喜びを語りました。

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勝利和解し、記者会見する白藤さん(右端)、西村さん(右から2人目)と弁護団=5日、大阪市北区・司法記者クラブ

 訴えていたのは一九六六年入社の西村かつみさん(55)と六九年入社の白藤栄子さん(53)。西村さんらは九四年三月、男女雇用機会均等法にもとづき労働省大阪婦人少年室に調停を申請しましたが、同室長が調停不開始を決定。このため九五年八月に大阪地裁に提訴しました。大阪地裁では、憲法第一四条の趣旨に反する男女別の雇用管理があったと認定しながら、「当時の社会状況においては公序良俗に反しない」として、訴えを退けました。

 これに対し今回の和解は、「女性差別撤廃条約や均等法改正などの改革を男女差別の根絶をめざす運動の成果」ととらえ、「すべての女性がその成果を享受する権利がある」とし、「過去の社会意識を前提とする差別を容認することは社会進歩に背を向ける結果となる」と指摘しています。

 和解条項として十六日付で西村さんを主席(課長相当)に、白藤さんを主査(係長相当)に昇格させ、厚生労働大臣に対しても実質的に性別雇用管理となっていないかに十分注意を払い、調停の積極的、適正な運用に努めるよう求めています。

 記者会見では、解決金の一部などで職場での女性差別撤廃のための裁判を支援する基金を設立することを明らかにしました。


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