2004年1月4日(日)「しんぶん赤旗」

米原潜寄港１１隻４９回

２００３年　イラク作戦参加艦も

　二〇〇三年の米海軍原子力潜水艦の日本への寄港が十一隻四十九回（十二月二十六日現在）だったことが、寄港地の自治体の集計でわかりました。前年比四回減です。いずれも米太平洋艦隊潜水艦司令部所属のロサンゼルス級攻撃型原潜です。寄港地別では、神奈川県の横須賀が十四回（前年比二減）、長崎県の佐世保が二十三回（同三増）、沖縄県のホワイトビーチ（勝連町）が十二回（同五減）でした。

　佐世保は過去最高だった九七年に並びました。

「対テロ戦」従事

　このうち、対イラク作戦に参加し、昨年三月の開戦時に巡航ミサイル・トマホークを発射したキーウェストが、作戦終了後に横須賀、佐世保に寄港しています。同艦は二〇〇一年の対アフガニスタン報復戦争でも同ミサイルを発射しています。

　このほか米太平洋艦隊潜水艦司令部の発表で、「地球的規模の対テロ戦争支援」に従事したとされる潜水艦が二隻（ホノルル、ロサンゼルス）ありました。

　米太平洋艦隊は二〇〇二年十月、グアムを第一五潜水艦部隊の母港とし、これまでに二隻の攻撃型原潜を配備。そのうちサンフランシスコが初めて寄港しました。

　四月にマリアナ諸島で実施された米四軍統合演習「タンデム・スラスト」にはオリンピアが参加。九月末から十月はじめに、沖縄周辺海域でおこなわれた日米合同対潜水艦特別訓練には、オリンピアとサンフランシスコが参加しています。

滞在長い横須賀

　寄港時の滞在時間が横須賀では長時間となっています。

　米軍は長時間の滞在について「休養・補給・維持」と説明しており、横須賀が乗組員の休養や艦船の修理のための基地に位置づけられていることがわかります。

特殊部隊輸送か

　これに対し、佐世保とホワイトビーチでは一時間に満たない短時間の滞在が計二十一回にのぼっています。米軍は「人員の移動」と説明。これらの原潜は朝鮮半島、中国に対する諜報（ちょうほう）活動も任務にしているといわれています。寄港の際、特殊部隊や偵察部隊の要員の乗降、通信傍受、写真情報の伝達などを行っているものとみられます。

　二〇〇二年末、米太平洋艦隊潜水艦司令部所属の攻撃型原潜十隻が一九九八年一月から二〇〇〇年五月まで「核攻撃能力の認証」を受けていたことが、米海軍の内部文書で明らかになりました。この十隻のうち六隻（ブレマートン、ポーツマス、サンフランシスコ、オリンピア、ホノルル、キーウェスト）が寄港しています。

２００３年米海軍原子力潜水艦の寄港状況