2003年12月31日(水)「しんぶん赤旗」
賃金・労働条件切り下げの攻撃やリストラの横行をはねかえすたたかい、職場の自由と民主主義、権利を守るたたかいで、ことし本紙が報道した労働者の勝利の記録を紹介します。
1月 |
アイシン精機(愛知)
約二千人の労働者に総額一億七千万円の未払い賃金を支払い。
西鉄高速バス(佐賀)
バス乗っ取り事件で、心的外傷後ストレス障害になった運転手の労災を佐賀労基署が認定。
山口社会保険事務局(山口)
倒産会社が滞納していた厚生年金保険料等を未払い賃金より先に回収はかった社保局側の申し立てを山口地裁が棄却。
昭和シェル石油(東京)
女性だからと賃金差別された元社員の訴えを認め、東京地裁が約四千五百万円の支払いを命令。
2月 |
新日本石油化学川崎事業所(神奈川)
労働者八人が賃金差別と労組間差別の是正を求めてきた争議が和解。
大星ビル管理(東京)
泊まり勤務の仮眠時間も労働時間として割増賃金の対象に。最高裁が差し戻し、高裁で和解。
特養老人ホーム神明園(東京)
サービス残業強要で、理事長と社会福祉法人に罰金各五十万円の支払いを八王子簡裁が命令。
丸都運輸(福岡)
労働組合を嫌い、配車しないなどの差別をしたのを福岡地裁は不当労働行為と認定。
マツダ(広島)
職場の日本共産党や国会・地方議員が労働局に申し入れ、二月からまともな残業代支払いへ。
3月 |
延岡学園(宮崎)
組合活動を嫌って不当解雇された教員が福岡高裁宮崎支部で勝利和解。十四年ぶりに教壇復帰。
トンネルじん肺(大分)
原告十三人が大分地裁で和解が成立。約一億二千五百万円支払いへ。
JR西日本吹田工場(大阪)
炎天下の踏切番を強制された国労組合員二人に、大阪高裁が慰謝料支払い命令。
4月 |
ホテル(山梨)
副支配人が脳出血で半身不随になったことを地裁、高裁が労災認定し、労基署の判断覆す。
SMK(神奈川)
大和事業所に勤務する全労連・全国一般組合員への昇給差別などで神奈川地労委が救済命令。
一橋出版(東京)
六十歳定年制の導入に伴う延長期間の賃金15%カット分の支払いを東京地裁が命令。
オリンパス光学(東京)
発明の対価を社員は請求できると最高裁が判断。元社員に約二百三十万円の支払いが確定。
5月 |
藤枝市(静岡)
サッカーW杯担当課長の過労自殺を公務災害認定。
元府議会議長の後援会事務所(大阪)
就職面談で元府議会議長からセクハラをうけた女性の訴えを大阪高裁が認め、損害賠償命令。
クラボウ(大阪)
日本共産党員であることを理由に昇給差別などを受けていた二人の労働者に大阪地裁が計五千百万円の支払いを命令。
特養ホーム長寿園(北海道)
三人の職員が不当解雇された事件で、札幌地裁は解雇無効と職場復帰、慰謝料支払いを命令。
工務店(大阪)
大阪高裁が従業員の過労死を認定、四千三百七十万円の賠償を命令。
ダイコー(愛知)
労組を嫌い解雇したのは無効と名古屋地裁が賃金支払いを命令。
スズキ(静岡)
日本共産党の労基署への申告で、〇二年十一月から今年一月までの残業代約七千万円を支払い。
金剛学園(大阪)
日本語教育の担当教師を「韓国語能力が低い」として解雇したのは無効と大阪地裁が判決。
6月 |
JR貨物(富山)
国労組合員にたいする昇進昇給差別事件で、富山地労委が救済命令。
環境研究会社(東京)
無断でビデオ撮影されるセクハラをうけ、退職に追い込まれた元社員に東京地裁が損害賠償を命令。
トンネルじん肺(東北ブロック)
十五人が仙台地裁で和解。被告各社が総額二億三千万円支払いへ。
沖電気(東京)
労働者の労基署申告から約五百人に七千万円の未払い残業代を支払い。
オリンパス光学(東京)
会社解散を強行した親会社の責任認め、水戸地裁が解雇無効、二十一人に賃金支払いの仮処分。
相模原南病院(神奈川)
解雇無効の最高裁判決に従わなかった問題で、横浜地裁で和解が成立。八人全員の解雇撤回。
JR東日本(神奈川)
解雇、配置転換された三人の国労組合員に中労委が原職復帰を命令。
ネスレ(茨城)
懲戒解雇されたネッスル日本労働組合の組合員二人に茨城地労委が暴行の事実はないと原職復帰と賃金支払いを命令。
トンネルじん肺(富山)
請求団で残っていた一人が東京地裁で和解。
郵政公社九州支社(熊本)
労基署の是正勧告うけ、約四百人に未払い残業代を支払いへ。
神戸製鋼所(兵庫)
加古川製鉄所の約二百五十人に不払い残業を払えと労基署が是正勧告。
7月 |
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みずほ銀行(群馬)
ATMトラブルの復旧作業を担当した技術者の自殺は労災と宇都宮労基署が認定。
武富士(東京)
二年間の未払い残業代約三十五億円を社員と退職者約五千人に支払い。役員二人を書類送検。
第一綜合警備保障(東京)
元警備員三人を不採用としたのは不当労働行為と都労委が認定。雇用継続と賃金支払いを命令。
西神戸レミコン運輸(兵庫)
会社閉鎖と建交労組合員七人の解雇を強行した親会社と和解が成立。全員が関連会社に復帰。
須磨学園(兵庫)
不当解雇された教員が大阪高裁で和解。
トヨタ自動車(愛知)
設計部門係長の自殺は過労が原因と名古屋高裁が労災認定。判決確定。
四国JTS電装(徳島)
会社解散・工場閉鎖の計画に反対した女性四人が徳島地裁で和解成立。
NTT和歌山設備建設センター(和歌山)
和歌山地裁が線路設計担当者の過労死を認定。
8月 |
タクシー運転手(大阪)
突然死はエコノミークラス症候群による労災と大阪労働局が認定。
クスリのサンロード(山梨)
不払い残業強要で社長らを都留労基署が書類送検。残業代約二億八千万円支払いへ。
9月 |
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日本エリクソン(福岡)
出張先で心臓疾患で死亡した会社員の過労死を福岡地裁が認定。
佐野第一交通(大阪)
解雇された自交総連組合員五十五人に大阪地裁が地位保全と賃金支払いを命令。
リンクシードシステム(東京)
勤務時間中インターネットを私用に使ったための懲戒解雇は不当と東京地裁が残業代支払いを命令。
秩父じん肺(埼玉)
十四人が三社と和解。
日本触媒(兵庫)
反共労務政策による賃金差別の支払いを求めた元労働者に神戸地裁が慰謝料支払いを命令。
10月 |
朝日火災海上(東京)
労組活動家十九人への昇給昇格差別で東京高裁が不当労働行為を認定。
日本IBM(東京)
退職強要された中間管理職三人の組合員資格を東京地裁が認定。
東京海上火災(東京)
サービス残業による過労死を東京地裁が認定。
日本航空(東京)
機長の乗務手当一方的切り下げは不当と東京地裁が差額約三億一千万円の支払いを命令。
浜松市(静岡)
昇任差別の是正を求めた浜松市職労元委員長が東京高裁で勝利和解。
奥道後温泉観光バス(愛媛)
希望退職に応じず解雇された二人の運転手の解雇無効高裁判決を不服とした会社上告を最高裁が却下。二人は職場復帰。
11月 |
日欧産業協力センター(東京)
有期雇用の英国人女性が育児休暇申請し解雇されたのは無効と東京地裁が賃金支払いを命令。
ネスレ(兵庫)
職場を閉鎖し、茨城県に転勤か退職かを迫られたネッスル日本労組の組合員二人に神戸地裁が配転命令無効の仮処分。
運送会社(大阪)
団体交通事故傷害保険金を会社の収入にした事件で大阪高裁が一審判決を変更。三千五百万円を遺族に支払えと命令。
東北住電装(長野)
工場閉鎖反対の労働者に長野地裁が解雇無効、賃金支払いの仮処分。
松坂屋東京・上野店(東京)
時間外賃金を不払いで労基署が是正勧告。三百二十人の従業員に約一億一千万円を支払い。
アニメ制作会社(東京)
テレビアニメがビデオに転用される際の二次使用料支払いを求めた声優三百六十人に東京地裁が支払いを命令。
聖家族の家(大阪)
正規職員募集で応募し採用された職員を一年後に「一年の臨時職員としての期間雇用契約」と解雇した問題で、大阪高裁が解雇無効の判決。
医療法人・恵和会(北海道)
課長が組合委員長になったことを理由に降格処分や団交を拒否した問題で、札幌地裁が不当労働行為を認定。
関西学研都市交通(京都)
ハイヤー運転手の過労死認定。一カ月に13回、20時間の拘束勤務をほぼ実労働時間と認める。
12月 |
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日立精機(千葉)
倒産し営業譲渡したさい、約半数の労働者が雇用されず、JMIU組合員五人が雇用を求めていた問題が和解。退職金と解決金支払いで決着。
所沢中央自動車教習所(埼玉)
教習指導員全員が会社買収にからみ解雇されたのは無効と東京高裁が賃金支払いを命令。
日本航空(東京)
副操縦士らで構成する日航乗員組合との労働協約を一方的に破棄し、勤務時間を延長した問題で東京高裁が組合側主張を認める判決。
川崎重工(兵庫)
労働者十六人が昇進昇給差別の是正を求めていた争議で、地労委が差額賃金支払いなどを命令。
京都エステート(京都)
JMIU組合員を解雇した問題で勝利和解。
代々木ゼミナールグループ
産休を欠勤扱いして元女性従業員のボーナス全額カットは無効と最高裁が高裁に差し戻し。
福岡西鉄タクシー(福岡)
運転手がビラを本社前で配布して懲戒解雇されたのは無効と福岡高裁が賃金支払いを命令。
中部電力(愛知)
名古屋北労基署の是正勧告をうけ、全従業員の三分の二に約一万二千人のサービス残業代総額が約六十五億円と発表。
中里学園(神奈川)
保育士が頚肩腕(けいけんわん)症候群を発症したのは公務によると基金支部審査会が認定。
ヨシケイ・ナラ(兵庫)
強要されて提出した退職届の無効確認と身分保全を求めた女性社員八人が神戸地裁で勝利和解。
東芝(神奈川)
柳町工場の労働者三人の遠隔地配転問題で、神奈川地労委が二人について京浜地区内の事業所に戻すよう救済命令。
橋本市(和歌山)
過労自殺した市職員の公務災害を認定。
東洋通運(愛知)
労資合意なしの賃金減不当と訴えた全港湾組合員が名古屋地裁で勝訴。
大船自動車学校(神奈川)
営業譲渡に伴い解雇された自交総連組合員の譲渡先への雇用継続を横浜地裁が認める判決。