2003年12月31日(水)「しんぶん赤旗」
失業率が5%台で高止まりし、賃金や労働条件の切り下げ、身勝手なリストラが横行するなか、二〇〇三年も職場の自由と民主主義、権利を守る労働者のたたかいは着実にすすみました。
サービス残業(ただ働き)の是正は、昨年にひきつづき大きく前進しました。厚生労働省が“サービス残業根絶通達”をだした二〇〇一年四月以降の約二年半で二百五十三億円を超えています。全従業員の三人に二人にあたる約一万二千人を対象にした中部電力の六十五億円、社員と退職者約五千人に三十五億円を支払った武富士など巨額な是正も相次ぎ、大きな流れになっています。
通常国会では、いっそうの大もうけをねらう大企業・財界の要望にそってサービス残業を合法化する裁量労働制や不安定雇用を拡大する労働基準法、労働者派遣法など労働法制の改悪が強行されました。
改悪に反対する労働者の運動が盛り上がり、全労連や連合も座り込みや集会をくり広げ、「使用者は…労働者を解雇できる」(労基法改悪案)との政府案は「客観的かつ合理的な理由を欠く解雇は、無効」と修正され、解雇規制が法律に初めて明記されました。
国立病院の独立行政法人化に伴い、約六千人いる賃金職員(定数外非常勤職員)の来年三月末での雇い止めを厚労省が決め、千四十七人の労働者が解雇撤回とJR復帰を求める国鉄闘争やNTT大規模リストラ反対のたたかいと結んで、雇用守れのたたかいが全国に広がっています。
一方的な賃金や労働条件の切り下げに対し、日本航空では機長の乗務手当切り下げの差額三億一千万円を支払うよう東京地裁が命じました。
会社解散・工場閉鎖に反対し、女性四人が地域の労働者・労働組合の支援もえて、四国JTS電装に解決金支払いと雇用の場を確保させました。