2003年12月28日(日)「しんぶん赤旗」
01年4月から2年半 |
残業させても割増賃金を支払わないサービス残業(ただ働き)をさせていた企業にたいし、全国の労働基準監督署が是正指導して労働者に支払わせた金額は、約二年半で二百五十三億円を超えていることがわかりました。厚生労働省が“サービス残業根絶通達”を出した二〇〇一年四月以来の支払額を、日本共産党の小池晃参院議員(厚生労働委員会)事務所がまとめたものです。
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厚労省は〇二年十月からことし三月までの半年間で支払額が七十二億円になる、と公表しました。三月以降も武富士で三十五億円、中部電力で六十五億円が支払われました。小池事務所は、〇一年四月から〇二年九月までの一年半の支払額八十一億円(厚労省調べ)を合算しました。労基署の監督強化とともに、労働者の申告が大きく増えた結果です。
〇一年四月からことし三月までの二年間で都道府県ごとの支払額をみると、東京都四十一億八千万円、兵庫県十九億七千万円、大阪府十四億二千万円などの順となっています。東京都の場合、東京労働局がことし夏と秋に重点的に事業所の監督をおこなったところ、法律違反のサービス残業がおこなわれていたのは三社に一社(37・7%)で、残業時間を自己申告制にしている事業所は約四割です。
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サービス残業を是正させてきた力は、労働者とその家族の勇気ある告発をはじめ、日本共産党職場支部や国会議員団がサービス残業の実態を明らかにし、くりかえし是正を要求してきたからです。
「あのトヨタのラインがとまった」と衝撃が走ったのは、ことし一月。労働基準監督署からサービス残業の是正勧告を受けたトヨタ自動車が生産ラインをとめ、“不適切な勤務時間管理があった”と緊急集会を開きました。こうした是正・指導の背景には、現地調査や国会質問をくりかえしおこなってきた八田ひろ子参院議員の奮闘がありました。兵庫県伊丹市、尼崎市の三菱電機の事業所では昨年、七千万円の未払い賃金が支払われました。日本共産党の大沢たつみ参院議員と職場で活動する日本共産党委員会の連携プレーの成果です。