2003年12月26日(金)「しんぶん赤旗」
創価大学(岡安博司代表者理事)の不当な圧力で人形劇団のサークルOB会が解散に追い込まれ、精神的打撃を受けた――と、同OB二十七人が二十五日、同大学を相手どり二千七百万円の損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁八王子支部に起こしました。解散をめぐる当事者間の争いとは別に、原告が訴訟におよぼうとしたとたんに大学と創価学会側から訴訟をやめるようすさまじい圧力がかけられたことが問題になっています。
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このサークルは人形劇団「ぴっかりこ」。大学創立者で、創価学会名誉会長の池田大作氏の命名で一九八〇年に設立され、国内外で公演してきました。同劇団の卒業生で構成されるOB会は、現役学生への助言や資金援助などを目的に八八年ごろ結成されました。
訴状によると、二〇〇二年一月末から取り組まれた三回目のネパール公演をめぐって、大学側がネパールSGI(創価学会インターナショナル)理事長の公演要請がない、などとして、海外渡航許可を出さないなどの圧力をかけました。学生らは、ネパールSGI理事長からの要請はあったとして、予定どおり公演。帰国後、大学側は、「大学に虚偽の説明」をしたなどとし、サークルの「無期限活動停止処分」を通告しました。
現役学生とOBは大学側に事情説明を要求しましたが、大学側はOBとの話し合いについて「義務はいっさいない」と拒否。OBの抗議で一度は交渉に応じたものの、さまざまな圧力をかけてきました。こうしたなかで現役学生は、二〇〇三年十一月、サークルを解散。OB会は会長が「病気」を理由に「辞任」した後、残る執行部が、ことし六月の「総会」で、反対や異議にとりあわず、「しかるべき採決もさせないまま」解散を宣言した、といいます。
問題は原告らが訴訟にふみきろうとしたときの圧力です。訴状によると、大学職員、OB会会員、親や創価学会幹部らが原告予定者にたいし、面会や電話でこうせまりました。
「裁判は人としてやってはいけない行為」「共産党の弁護士を変えなさい。池田先生、創価学会に迷惑がかかる」「共産党と組んでいること自体が悪という証拠だ」「そんなことをすれば、地獄に落ちるし、池田先生の世界にいられなくなる。学会を除名ということも有り得る」「地獄に落ちる」「裁判は大学、ひいては池田先生に弓を引くことになるからやめてくれ」
訴状は、依頼人の権利と利益を守るために活動する訴訟代理人を「共産党の弁護士」とし、「地獄に落ちる」などとすることは、原告らの訴権を侵害するものと批判しています。
提訴後、原告の山崎幹さん(原告団長)、横山礼子さん、小森陽子さんの三人と原告代理人の松井繁明弁護士らが会見。山崎さんは「裁判にあたり、大学や創価学会の組織を通じて不当な働きかけがあった。裁判を通じて解散をめぐる真相を明らかにしたい」と語りました。